「日本吃音・流暢性障害学会 第3回大会」報告

[「吃音(どもり)」の原因と治し方学会、研修会の報告悩みの原因や解決方法]


 8月29日(土)、30日(日)と大阪保健医療大学にて開催されました
 「日本吃音・流暢性障害学会 第3回大会」に参加してまいりました。

 研究者はもちろんですが、言語聴覚士や、カウンセラー、セルフヘルプグループ 吃音当事者などが多数参加され、とても活気がありました。

 参加しましたプログラムの中で講演、シンポジウムに
 ついてご報告させていただきます。
 (口頭発表やポスター発表は省略させていただきます)
 ※記憶違いなどがありましたら失礼いたします。

日本吃音・流暢性障害学会 第3回大会2
 

 ◎「吃音の脳研究の最前線


   司会:国立障害者リハビリテーションセンター 森浩一先生
   
   ・まず、冒頭森先生より、脳研究で用いられる検査法と、
   吃音に関する脳研究の概観が伝えられました。

   森先生の知見によると、
   吃音者は、
   前後言語脳・大脳基底核と発話言語野との間に接続不良が見られる。
   つまり、両者をつなぐ弓状束に損傷が見られる。
   角回・縁上回に低活動が見られる。
   そして、脳に不良が見られる原因は遺伝によるものではないか、ということでした。
   (原因の7割は遺伝要因によるもの、3割は養育や環境要因)


   注)遺伝については、多因子型(環境の影響で発現が決まりやすいタイプ)とされていること。
     遺伝研究全般においても、エピジェネティスクなど環境の影響の大きさが再認識されてきているとのこと。遺伝といっても精神的な気質についても遺伝することがわかっていて、
     吃音は具体的にどういった遺伝子が影響しているかはよくわかっていないことなど考えると、脳への遺伝の影響についてはもう少し慎重に表現するべきではないか、という印象はあります。

   ・次に、国立精神・神経医療研究センターの小倉淳先生より
   脳の血流などによる吃音の特徴の紹介がありました。
   
   小倉先生によると、

   人間の発話には、
   1.親密性の高い言葉(よく知っている言葉)
   2.親密性の低い言葉(よく知らない言葉)
   3.意味のない言葉

   それぞれで、脳の部位が異なるとのことです。

   1.は縁上回/角回 が用いられる。
   2.はブローカ野 が用いられる。
   3.は運動野が用いられる。

   とのことで、
   
   吃音の場合、1,2の活動低下が見られ、
   3.の運動野を代償として用いて発話を行っている可能性があるそうです。

   血流についての検査(NIRS)によると、
   ブロードマンの46野 と呼ばれる部位で、吃音と非吃音とで活動に差が見られるそうです。(吃音者のほうが活発で、非吃音者は抑制されている)
  
   ニューロフィードバックという方法があって、
   脳の信号を、音声や画像に変換して、視覚・聴覚にフィードバックするもので、
   そうしたことによって脳の活動を修飾することで活動を回復していく方法について
   最後に触れられていました。


   ・岐阜大学の村瀬忍先生の発表では、
   脳電位の検査(ERP)による吃音の特徴についての報告がありました。
   
   成人の吃音者においては、N400(意味理解を司る)において、減衰が見られる。
   そのため、意味処理の仕方が非吃音者より通常より異なる可能性がある。
  
   また、吃音者は、人と対面して話をする場合に  
   情動を司る部位(辺縁系、扁桃体、後部帯状回)の活動が活発とされます。
   
   そのため、他者との対面の場合

    対面
     ↓
    情動的な活動が活発に
    辺縁系の活動 
     ↓ 
    発話運動野の活動
    ⇒吃音モード(神経の接続の不良)
     ↓
    発吃

  ということが考えられるため、ERPでの実験の考察からみても、
  発話訓練ももちろんだが、あらためて情動の活動を落ち着かせるために
  心理的な(間接的)アプローチも重要であることが示唆された。


  
  

 ◎「吃音臨床の温故知新」


   (広島大学/川合紀宗先生)

   CALMSモデル(心理、口腔、言語、社会、知識など吃音の要因を整理したもの)
   吃音臨床に用いられる方法を概観し、
   臨床に取り組む上で大切なことを講演されました。
   最近は様々な方法がわかりやすく書籍などで紹介されるようになってきたが、
   それらを闇雲に用いるのではなく、目的や効果などを臨床家もクライアントも理解した上で、用いることが大切である。
 
   また、吃音を意識させたほうが良いクライアント、そうではないクライアントも
   見極めていく必要がある、といったことがサマリとして伝えられました。


日本吃音・流暢性障害学会 第3回大会
 

◎「吃音に付随する精神疾患について」


   (国立障害者リハビリテーションセンター 金樹英先生)

   金先生は吃音を専門とされていませんが、
   精神医療の専門家の眼から見ると、吃音者の中には、かなりの割合で
   うつや社交不安障害を合併している人がいるとのことです。
   (九州大学の菊池先生によると、成人の吃音者の半分は社交不安障害を持つようになる、とのことです。)

   社交不安障害や、鬱について詳しく説明がありました。

   そして最後に、

   ・吃音で不安となる慢性的な疾患を抱えている場合は、社交不安障害を疑ってみる。  
   ・不安が長く続くと鬱になるリスクは高まる   
   ・合併が疑われる場合は、精神科を早めに紹介する。

   との提言がありました。
  

以上ですが、様々な先生方のご尽力で、研究や啓蒙活動などの環境が急速に整ってきている印象です。

とてもよい傾向ではないかと思っています。
一層の発展が期待されます。

 

 

 

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