「心に聞く」というのは、悩みを解決するうえでは、基礎となるような技術です。
別の記事でも書きましたが、誰でもできる方法です。
今回は、「心に聞く」をさらに利用して悩みから抜け出すための方法をお伝えしたいと思います。
→関連する記事はこちらをご覧ください。
「「”心”に聞く」を身につける手順とコツ~悩み解決への無意識の活用方法」
<作成日2016.9.24/最終更新日2022.2.25>
※サイト内のコンテンツのコピー、転載、複製を禁止します。
![]() |
この記事の執筆者みき いちたろう 心理カウンセラー(公認心理師) 大阪大学卒 大阪大学大学院修了 日本心理学会会員 など シンクタンクの調査研究ディレクターを経て、約20年にわたりカウンセリング、心理臨床にたずさわっています。 プロフィールの詳細はこちら |
---|
<記事執筆ポリシー>
管見の限り専門の書籍や客観的なデータを参考に記述しています。
可能な限り最新の知見の更新に努めています。
もくじ
・悩みとは、外からやってくるもの~真に受けずに受け流す
・悩みを返して、本来の自分に戻してもらう
・さらに、自由になっていくために
悩みとは、外からやってくるもの~真に受けずに受け流す
人間とは、環境に影響される生き物です。もともとは私たちは空っぽの器のような存在です。そこに罪や問題というものはありません。
しかし、環境から人を通じてもたらされるさまざまな考えや感情を真に受けることによって、いつしか、罪の意識や劣等感を感じて、苦しみ、悩むようになります。
否定的な感情や意識のすべては、自分のものではありません。
そのため、自分の問題ととらえて悩みを解決しようと取り組むことは悩みをむしろ強化してしまいます。
逆に、悩みは自分のものではないと真に受けないようにして受け流して「本来の自分はそのままで大丈夫」と知ることが悩み解決の近道であることが分かります。
ただ、「どうしても自分がダメだということは事実としか思えない」「自分を責める声が取れない」など、自分だけでは環境の影響から逃れることが難しいために、“心”の力を借りることになります。
悩みを返して、本来の自分に戻してもらう
1.「心に聞く」方法を身につける
まずは、「心に聞く」方法を身に着けてください。少し慣れれば誰でも使えるようになります。
→こちらのページを参考にしてください。
「「”心”に聞く」を身につける手順とコツ~悩み解決への無意識の活用方法」
2. 自分が今感じている感情や考えなど、扱いたいものを決める
取り除きたいもの、現在感じている感情や考えなどを一つ決めてください。
3.自分のものかどうか、心に聞く
その感情や考えが本当に自分のものかどうかを聞いてみます。
「心よ!~~ は私のものですか?」と尋ねてください。99%の確率で「No」「あなたのものではない」という答えが返ってきます。否定的な意識や感情はすべてといってもよいですが自分のものではありません。一見、肯定的な考えや常識的な考えでも大半が自分のものではありません。
(参考)誰からの影響か尋ねてみてもよい
心に聞く、という方法が身に付いている方は、誰からの影響か尋ねてみてもよいでしょう。「心よ!誰からのものですか?」と尋ねてみます。通常、自分の家族など身近な人の名前が出てきます。※「自分」などと帰ってきたら、妨害されていますから、心にお願いして妨害を排除してもらってください。
4.“心”にお願いして取り除いてもらう
自分のものではない、とわかったら、感情や考えを取り除いてもらいます。取り除いてもらうのも簡単です。
「心よ!この感情(考え)は私のものではありません。ですから、これを取り除いて、本来の私の状態に戻してください。」
とお願いしてください。
取り除くのは“心”が行います。自分で取り除こうとするのではなく、心にお願いしてください。
5.取り除けたか確認する
残っているかどうかチェックする。残っていたら、再度お願いして取り除いてもらってください。強迫的にすべてを取り除こうとしなくてもよいです。まずは、自分のものではない、と確認できるだけでも大きな前進です。
6.本来の自分に戻る。自由になる
うまく取り除けたら、それまでの否定的な感覚はスーッと軽くなります。
さらに、自由になっていくために
さらに自由になるために必要なことや、多くの方が疑問に感じることについてまとめてみました。
・自分の考えや、感情などささいなことはなんでも「自分のものか?」確認して、本来の自分に戻してもらう
日常で感じている考え、感情を何でもチェックしてみてください。ほとんど自分のものではないことに気づいてがく然とすると思います。実は皆そうです。
自分が常識と思うようなことは大体が自分のものではない外から来ているものです。
・自分のものではない正しいもの、大切なものはあるか?
続けていると「自分のものではないと出るけど、この考えは明らかに正しいものだから取り除かないほうがいいのでは?」と疑問に思うことがあるかもしれません。
これは「No」と言えます。
なぜかというと、もし、本当に大切なものであれば、「自分のもの」と答えが返ってくるはずです。
返ってこないのは、正しいもののふりをした偽物であるということです。
そもそも、世の中に正しい、間違いはありません。すべての基準は自分の内側(心)にあります。もし、仮に正しいとしても自分に合わないものは毒となって体調を崩してしまいます。心(無意識)は自分そのものでありながら、多くの人々や歴史とつながる集合的な智慧でもあります。心とは、謙虚であり、自信がありながら、周囲に敬意を払う自然な存在なのです。
一方、頭で考えた“賢い答え”は、智慧から切り離されて、怖れや不安で自分を支配してしまいます。
外側に基準を据える考えは強迫的で、独善的で、ごう慢で支配的なものです。
「心に聞く」とは、環境からの悪影響を切り離し、本来の自分に戻ることが目的です。
さまざまな疑問が浮かんできますが、それも気づきにつながる良い機会として安心して取り組んでください。
・頭に浮かぶ、他者への評価も自分のものではない
私たちは、他人と接していると、しばしばその人を否定的に評価するような意識が浮かんだり、イライラするような感情を感じることがあります。
その考えや感情は自分のものだと思い込まされていますから、「自分は、なんて器の小さい人間なんだ」と自分を責め、落ち込んでしまいます。
しかし、その考えや感情も、実は自分のものではありません。
試しに、“心”に聞いて確認してみてください。
「あっ、これは自分のものではなかったんだ!?」と驚くと思います。
このようにしてどんどんと自分のものではないことを確認して、心にお願いして本来の自分に戻してもらってください。
→関連する記事はこちらをご覧ください。
「「”心”に聞く」を身につける手順とコツ~悩み解決への無意識の活用方法」
※サイト内のコンテンツのコピー、転載、複製を禁止します。
(参考)
大嶋信頼「「いつも誰かに振り回される」が一瞬で変わる方法」(すばる舎)
など
※「心に聞く」という方法は、心理カウンセラーの大嶋信頼氏、またその師匠である故・吉本武史氏により開発されたものです。