悩みの原因や解決方法

3つの真実~「虚無」「支配者」「光の人」、私たちを分ける3つのタイプ

[「3つの真実(3つのタイプ)」とは何か?「支配」の原因と治し方悩みの原因や解決方法]


 

 今回は、これからの臨床において不可欠な概念である「3つの真実(3つのタイプ)」についてまとめてみました。

 実体験にも当てはまる、としてこの概念に共感するクライアントは多く、様々なケースに当てはまる妥当性の高いものです。よろしければご覧ください。

 

 関連する記事はこちらをご覧ください。

 ⇒「「支配」から自由になるための15の方法

 ⇒「「心に聞く」を身につける手順とコツ~悩み解決への無意識の活用方法

 

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支配者、虚無、光の人

 

 

はじめに

 すべての人とは分かり合えるはず、思いは必ず通じる、と私たちは教えられてきました。
分かり合えないときは、コミュニケーション不足のせいか、誤解のせいで、ちゃんと解きほぐせば大丈夫。
 相手がもし理不尽なことをしてきたときは、自分に問題があると考えなければならない、と自らを律している人も多いのではないでしょうか。

 しかし、私たちが日常生活で直面するのは、そうしたことでは説明できない、言葉にもできない現象です。

 例えば、
 「友達と思っていた人から急に失礼なことを言われた。何も失礼なことをした覚えがないのにわけがわからない」
 「いつも優しい人なのに、その人からふと言われた言葉が気になって頭から離れない。」
 「趣味の会で同じクラスの人がいるけど、別にこれといって悪いわけではないし、言葉にはできないけど、何か嫌な感じがしてしまう」
 
 下手に相談などしてしまうと、友達や場合によってはカウンセラーからも、「あなたに問題があるのではない?」といったような言葉をかけられて、自分がへこんでしまう。
 心理学の本を読んで、パーソナリティ障害かも?と思って調べてみるけど、しっくり来ない。
  

 そもそも、もっとも分かり合えるはずの家族同士でも、子どもに対して否定的な言葉をかけたり、あまり愛情を注がない親がいたりするのかも説明がつきません。そのため、私たちは自らに原因を求めて罪悪感にさいなまれてしまいます。
 おかしな行動をするのはその人自身が愛情不足のためだ、という理解をされていますが、もし愛情不足なだけであれば、愛情を注いで、コミュニケーションを重ねれば通じ合えるはずです。しかし、そうはならない。
  
 「親子なんだから、わだかまりを解消して、思いやりをかければ必ず理解してくれる」

 その言葉を信じて親子の関係を取り戻そうと努力しても返り討ちにあったり、仲良くなれない罪悪感にさいなまれている人は本当にたくさんいらっしゃいます。

 

 対人関係の問題以外でも、自分自身が持たされているみじめな自己イメージや罪悪感が頭から離れない、と悩んでいる人も多いです。
 「自分はどんくさくて、気遣いもできず、ダメな人間だ」
 「自分は人から信頼されない、胡散臭い性格なのだ」
 「私は、子どもにも手をあげたり、理不尽に叱りつけるような不適格な親だ」
 など。

 これも、なぜそう思ってしまうのかはよくわからないのですが、本人の中では、リアリティをもって感じられ、自身を縛り続けてしまいます。

 これらの罪悪感は解きほぐしていくと、人間関係からもたらされていることがわかります。周囲の人間関係に影響されて罪悪感に支配されてしまう。
 これまでは単なる当人の思い込みとして処理されてきましたが、どうやらそうでもないということが分かってきています。

 近年、そうしたことに対して、人間には3つのタイプが存在し、それぞれに真実が異なるために、以上に示したような現象が生じているのではないか、という知見、仮説が示されるようになりました。

 つまり、問題の原因が私たちの中にあるのではなく、影響しあう関係にあるのではないか、ということです。
 3つのタイプの特徴と相互に与え合う影響を知ることは、私たちが直面する悩みから抜け出すためにはとても大切なことなのです。

 

 

 

人と人とは密接に影響しあっている~ミラーニューロンの発見

 まず、3つのタイプについて理解するためには、ミラーニューロンの存在とその機能を知る必要があります。ミラーニューロンの存在は、私たちの悩みのメカニズムを知るうえで前提となります。

 ミラーニューロンとは、1996年の初めにイタリアの脳科学者リゾラッティによって発見されたものです。
 簡単に言うと、脳には相手の状態を模倣する細胞があるということです。脳科学においては革命的な発見とされています。ミラーニューロンは広範にわたって存在するため、ミラーシステムとも呼ばれます。
 ミラーニューロンが発見されたのは偶然によってです。科学者が実験用のサルの隣でジェラードを食べていたら、ジェラードを食べる動作にまつわる脳の部位が反応していることに気づいたことがきっかけです。

 ミラーニューロンの発見以前は、人間(動物も)が他者を理解するときは、視覚や聴覚などの感覚を通じて得た情報を統合して、相手の状態を推測しているの、と考えられていました。
 しかし、ミラーニューロンの発見によって、人間(を含む動物)は、相手の状態を〝そのまま写し取るように”脳がまねることで相手を理解しているということが分かったのです。
  
 例えば、緊張している相手と一緒にいたら緊張してしまう。否定的な考えを持っている人と一緒にいるとこちらも暗くなるといったことはこれまでは、単なる気のせいと片づけられていました。しかし、ミラーニューロンの機能を知ると、脳が模倣しているために生じている現象であることが分かります。 
 何となく相手のことが分かったり、感じ取ったりということもミラーニューロンを通じたコミュニケーションの結果といえます。

 ミラーニューロンがあることで、あたかもWifiのように無意識に相手を模倣して、相手とつながるような状態になります。家族のように頻繁に意識する、気質も似通う相手であればよりつながりは強くなります。

 このように相手とつながりあう状態を作り出すミラーニューロンの機能が3つのタイプの影響の土台となります。

 では、次に3つのタイプの特徴を具体的にみてまいりましょう。

 

 

3つのタイプの特徴~「虚無」「支配者」「光の人」

 私たち人間においては、3つのタイプが存在しています。
 「虚無」「支配者」「光の人」という3つです。

 これは、性格の傾向ではありません。生まれつき決まっているタイプです。人間の傾向の違いではなく、例えばタンポポとチューリップとバラが異なる植物であるようにそもそもが異なる存在と考えるのが適切です。 


「虚無」の特徴

・このタイプにとっての真実は「無」です。愛、神も何も存在しません。

・このタイプにとっての自由とは、「無」となり他の「虚無」と一体になることです。
・このタイプにとって、愛というのは執着で、自由から遠ざけるものです。
・「虚無」の世界においては、善も悪も、正しい=間違いも存在しません。
・本来は「無」であるため、悩みや不安も存在しません。
・このタイプにとっての〝心”とは、「無(虚無)」の集合体です。
・「支配者」からの「幻想の愛」で罪悪感を感じさせられ、執着させられて、本当の自分の求めているものが分からなくさせられてしまいます。
・このタイプでもっとも有名な人はブッダです。
・人口の7~8割程度が該当します。

 

 

「支配者」の特徴

・このタイプにとっての真実は、自分は神で自分の中に愛があるとして幻想の愛で他者を支配すること、です。
・このタイプにとっての自由とは、自由に相手を支配すること、です。
・支配するために相手に罪悪感を与えて罰して、自分は神として「幻想の愛」を与えて救う、ということをします。
・「支配者」同士は連携しています。
・「支配者」は、自分が支配していることを知っています。意図的であり、無意識にさせられているのではありません。
・「支配者」は快感を得るためや、苦痛を与えたいがために支配しているのではなく、ただ支配することが目的です。サディズムや復讐心などはありません。
・「支配者」かどうかと、表面的な性格や行動は全く関係がありません。暴力的で高圧的でいかにもという人もいれば、おとなしくて優しい人、人格者が「支配者」であることもあります。
・支配するためには何でも利用します。
・会社の社長、芸能人、宗教の指導者で尊敬されている人の中にもこのタイプの人がたくさんいます。
・人口の2~3割程度が該当します。自分に近い家族で親、兄弟や祖父母、配偶者、子どもまで含めると(おじ、おば、いとこを除く)、うち2~3人は支配者であることが通常です。

 

 

「光の人」の特徴

・このタイプにとって、神の愛、無条件の愛を求めることが真実です。
・自分の意志はなく、神の意志に従って生きることが本来の姿です。
・見えないものを信じ、見えないものを求めます。
・「光の人」にとっての〝心”とは、神の意志です。
・「支配者」からの「幻想の愛」で罪悪感を感じさせられ、執着させられて、本当の自分の求めているものが分からなくさせられてしまいます。
・このタイプで最も有名なのはキリストです。
・非常に稀で、人口の1%にも満たない(1000人に1人程度ではないか?ともされます)。

 

 


・「支配者」の特徴は様々で外面的な姿からはわからない

 「支配者」ということから、高圧的で、いかにも他者をコントロールする人をイメージしがちですが、病弱でずっと床に臥せっている人もいますし、浮浪者もいれば、いじめられっ子やとても優しい人もいます。
 虐待を受けている子どもが「支配者」であることもあります(相手を虐待をさせるように仕向けて支配しています)。
 つまり、さまざまな人がいて、性格や職業、性別、外見などでは区別をすることはできません。
 

経験から感じる「支配者」の特徴 

 これまで多くの「支配者」と実際に接してきて、経験的に感じるのは、「支配者」は自分は神としていることから、支配の根幹にかかわるようなことについて意見が対立した場合、「揺らぎがない」「ひるまない」という傾向はあるようです。「虚無」や「光の人」であれば、意見が対立したときに内面に揺らぎを感じますが、「支配者」の場合は揺らぎがない感じがします。「支配者」と意見が対立して議論していても、SFに登場するエージェントを相手とするような揺らぎのない感覚があります。

 また、まったく訳の分からない、根拠のないクレームや悪評を言い出したり、仲が良かったのに態度が急変したりすることがあります。もちろん、パーソナリティ障害やアスペルガー障害などでも理不尽な行動はありますが、そうしたものとも質的に異なる不連続さを感じます。

 表面的に見ていると穏やかな人、優しい人もいて、「3つのタイプの理論は、間違っているんじゃない?少し決めつけすぎかも」「この人が支配者のはずがない。いつも優しいし、理不尽なことは言わないし」と思うときもありますが、いろいろなケースと接していると、「ああ、やっぱりこの理論は現実に即している」と納得してきます。例えば、そのように見えない優しい人がふと見せる言葉や行動の端に支配を感じるときなどです。3つのタイプについてしらなければ、延々と自分に問題があったのでは、と考えさせられてしまいます。

 

・3つタイプを知る方法

 外面からはわからないため、“心”に聞いて確認する必要があります。

 “心”に聞くというのは、とても簡単なことです。

1.自分の“心”に、「心よ!~~は「支配者」ですか?」「心よ!~~は「虚無」ですか?」「心よ!~~は「光の人」ですか?」と尋ねます。それぞれについて、Yes か No かを自分の“心”に聞いていきます。

2.心配であれば、「心よ!~~は「支配者」ではないですか?」と逆も聞いていきます。そうすれば、しっかりと確認することができます。

3.ただ、「虚無」、「光の人」の場合は、「支配者」の妨害が入ることがあります。答えが返ってこなかったり、逆のことを言われたりします。自分が不安になったり、恐れがあったりするとき、否定的な答えが返ってくるときは妨害されていることが多いです。その時は、「心よ、私と心との間に邪魔はありますか?」と聞いてください。「ある」と答えて来たら、「心よ、その邪魔をとってください。」とお願いします。

 ※必ず、冒頭に「心よ」とつけてください。「神よ」とつけたりすると「神=エセ神様」として「支配者」につながってしまいます。また、“心”を偉大な存在としてとらえすぎてもよくありませんので、気軽に友達に聞くように聞くことがポイントです。

 

(参考)「心に聞く」について詳しくはこちらをご覧ください。

 ⇒「「心に聞く」を身につける手順とコツ~悩み解決への無意識の活用方法

 

 


・人を助ける職業(医師や教師、宗教者、カウンセラーなど)にも3つのタイプが存在する

 外面的な姿からわからない、ということですから、当然、人を助ける職業とされる方たちにも「虚無」もいれば、「支配者」もいれば、「光の人」がいます。
 「虚無」や「光の人」であれば良いですが、相手が「支配者」であれば助けてもらうことを通じて支配される恐れもあります。
  

 

・「支配者」を説得しようとしても無駄

 「支配者」に支配をやめさせようと説得したり、「支配者」であることを知っているぞといっても無駄です。相手は変わらないどころか、「何をおかしなことを言っているの」「お前のほうこそ、人のことを悪く言って「支配者」ではないのか?」「そんな考え方は科学的ではないし、間違っている。」などと反論されて、こちらが罪悪感を持たされてしまいます。
 

 

 

3つのタイプが与える影響

 タイプが異なることは様々な問題を生みますが、3つのタイプの中で最も影響が強いのが「支配者」の存在です。「支配者」は、自分が神であり愛を与える存在であるとしています。ただ、他の2つのタイプがそれを求めなければ、神であることができません。そのため、「支配者」はミラーニューロンを通じて罪悪感を与えます。罪悪感を与えておいて、「虚無」や「光の人」が罪悪感から逃れようと求めてきたときに罰や救いを与えて支配します。

 

・「虚無」への影響

 「虚無」が「虚無」同士で一体感を持っていれば「支配者」の存在は必要ありません。そのため、「虚無」に対しては分断し、孤立させます。自意識を肥大化させたり、社会の中でうまくいかないようにし、惨めさを感じさせたりします。そのうえで、罰や裁き、救い(幻想の愛)を差しのべて支配します。

 (本来求めているもの)〝無と一体感” ← 「虚無」←支配“罪悪感と幻想の愛”←「支配者」

 

・「光の人」への影響

 「光の人」に対しては、神の意志を求めるために、偽の神様である「支配者」と誤ってつなげて支配します。

 (本来求めているもの)〝神の愛” ← 「光の人」 ←支配“罪悪感と幻想の愛”←「支配者」

 

・「支配者」への影響

 「虚無」や「光の人」が自由になったり求めている真実を得てしまうと「支配者」は求めている支配ができなくなります。

 (本来求めているもの)〝支配” ← 「支配者」
  

 

 

「支配者」が他の2タイプを支配する方法

 「支配者」は、いろいろな方法で罪悪感を植え付けてきます。

   ・一つは、実際の言葉や行動、態度で
   ・もう一つは、ミラーニューロンを通じて

 「支配者」が頭の中で虐待しても、そのダメージはミラーニューロンを通じて伝わってきます。「支配者」のことを考えただけで、支配の影響を受けてしまいます。基本的に、距離や時間、空間は関係なく影響をうけます。

 例えば、このようなことがあります。

  ・失礼な態度や気になる言葉を投げかけ、怒りやみじめさを感じさせる。
  ・「支配者」自らが、弱くみじめな人を演じて、「何とかしてあげないといけない」と罪悪感を感じさせる。
  ・常識やルール、倫理を過度に持ち出して、相手を否定して、罪悪感を感じさせる。
  ・とても立派な人で人格者だが、自分と比較したときになぜか罪悪感を感じてしまう。
  ・態度ではわからないが、ミラーニューロン経由で罪悪感を感じさせている。 

  など

 

支配のイメージ

 

支配されるメカニズム

支配されるメカニズムは以下のようなことです。

 ※【支】=「支配者」、 【虚・光】=「虚無」と「光の人」です。

 

(例1)失敗するように暗示をかけるケース

  【支】みじめな失敗をするように暗示をかける。 → 【虚・光】失敗して、みじめになる。 → 【支】失敗しないように忠告する。 → 【虚・光】罪悪感を感じて、相手に従う。 → 【虚・光】暗示があるため、また失敗する。 → 【支】叱責したり、アドバイスをする。→【虚・光】アドバイスが正しいと思い、さらに依存する。 → 支配の完成。

 

(例2)暴力や暴言を用いるケース

  【支】暴言や暴力で虐待する。 → 【虚・光】相手を恐れて憎む。憎むことに罪悪感を感じる。→ 【支】家族、仲間を憎むような罪深い人間を罰するためにあえて行っているとしてまた暴言や暴力をふるう。 → 【虚・光】憎みながらも、本当は自分のことを愛してくれている、あるいはいい子でいたら殴られない、というファンタジーに酔う。 → 酔いから覚めてみじめさを感じる。また怒りがわいて執着させられる。 → 支配の完成。

 

(例3)脳内で性的に虐待するケース

  【支】脳の中で性的に虐待する。 → 【虚・光】ミラーニューロンを通じて性的虐待を感じ取る。 → 【支】家族との性的な行為を妄想をするおかしな人間であるとして罰する。 → 【虚・光】薄汚れた人間であるとして惨めさを感じる。 → 酔いから覚めてみじめさを感じる。怒りがわいて「支配者」に執着させられる。 → 支配の完成。

 

 

・欲に紛れ込ませる形でコントロールする

 相手を支配しコントロールするためには、相手の欲に紛れ込ませます。非常に多いパターンが性欲や食欲を利用することです。性的妄想を流し込んで、相手をおかしな人間として罪悪感を植え付けます。常識では考えられないような変態的な性欲というのは古くから見られますが、支配の影響によるものと考えられます。

 

 参考)フロイトやユングの直感は正しかった!?

 フロイトは、当初、ヒステリーの原因を幼い頃の性的虐待に求めました。ただ、激しい批判に遭ったことや、実際に調べると性的虐待の証拠がないことから、自分の説を曲げて現実的な性的虐待ではなく、本人の中にある性的な欲求、コンプレックスの結果としました。3つの真実とミラーニューロンを通じた影響を見るとき、フロイトの最初の直感は正しかったのではないかと考えられます。
 ユングは、集合的な無意識で、無意識はつながっていることを見出しました。ユングの説は示唆に富んでいるとして尊重される一方、オカルティックな説として受け入れられないこともあります。「光の人」ユングと「虚無」であるフロイトとが袂を分かつようになったのはタイプの違いもあるのかも知れません。

 

 

 

3つのタイプが求める真実が異なることで生じる悩みや違和感

 以上、確認してきたように、3つのタイプの真実は異なります。
 「支配者」というのは「虚無」や「光の人」にとっては、迷惑この上ないのですが、俯瞰してみた時に、それぞれの存在に良い悪い、善も悪もはありません。
 例えば、クジラに食べられる小魚から見たらクジラは悪かもしれませんが、クジラはクジラです。小魚に食べられる生物にとっては、小魚は悪かもしれません。
 それぞれはただ存在するから存在し、それぞれの真実を求めています。

 3つのタイプごとに真実が異なるために悩みや違和感が生じます。
 タイプが異なることを知らずに「人間は皆、わかりあえる」「真実は一つ」としていると、違和感はますます強くなり、外からもたらされている悩みを自分のせいだとして、さらに罪悪感を感じてしまうことになります。
 また、自分が求める真実が理解してもらえずに孤独を深めることになります。
 3つのタイプは、そもそも異なるのだ、と知るだけでも、悩みから自由になる助けになります。

 特に、3つのタイプの中でも「支配者」は「虚無」や「光の人」の悩みの根源となります。明確に区別をして、敬して遠ざける必要があります。

 

 

・私たちの悩みはすべて「支配者」からもたらされた幻想

 「虚無」は、本来「無」であり、そこには何もありません。善も悪も、正しい間違いもありません。「光の人」も神の愛とともに生きていきます。そのため、基本的には「虚無」や「光の人」に悩みは存在しません。
 しかし、異なる真実を持つ「支配者」が他者を支配するために善悪の判断を持ち込み、罪悪感を植え付けて、幻想の愛を求めるようにさせられることで、「虚無」や「光の人」は悩むようになります。

 「虚無」や「光の人」が普段感じている、不安や恐れ、怒り、パーソナリティ障害といったものはすべて「支配者」からもたらされた幻想であり、その人のものではありません。

 例えば、「虚無」が子どもを虐待している、とします。
 子どもへのイライラや、暴力の衝動によって突き動かされ虐待行為をしてしまい、自分の行動についての罪悪感で悩んでいます。しかし、イライラや衝動というのは、「支配者」によってもたらされたもので、「虚無」の人の中には本来なかったものです。脳内で虐待している「支配者」の脳をまねさせられて、自分が虐待者に仕立て上げられているのです。自分のものだと思って真に受けてしまうと、さらに、罪悪感を持たされてしまうのです。実際に「支配者」は「お前は、虐待をする最低の親だ」といって罰してきます。
 そうした罪悪感を抜け出して、自分にはそもそも罪など存在しない、ということを知ると呪縛から自由になることができます。

 ※悩みがすべて自分の内側ではなく外からもたらされているのは本当なのかな?と思うかもしれません。しかし、カウンセリングでは悩み解決のプロセスにおいて、悩みがクライアントの外にあることに気づかせるのは必須のプロセスです。「外部化(外在化)」と言います。これは、カウンセリングの教科書に載るような基本のことです。ただ、カウンセラーもクライアントもそのことを忘れてしまうことがしばしばです。

 

 

・「支配者」は、“事実”や“常識”、“ルール”を作り出す

 「支配者」の特徴としては、常識やルールを作り出したり、利用して、支配しようとすることがあります。常識やルールがあることで、自由を縛ることができますし、罪悪感を生み出すことができるからです。
 「支配者」には、宗教の指導者や、政治家、経営者などに多く見られる傾向があるのはそうしたことがあるのかもしれません。 
 多くの場合、両親のどちらかが「支配者」であり、躾と称して支配しています。
 
 さらに、「支配者」は、都合よく事実を作り出します。支配する相手をダメな人間にしたければ、ミラーニューロンを通じてダメな人間の状態にさせて、失敗させて、「ほら、実際に駄目じゃないか!」としかりつけます。
 実際に心理学では、ピグマリオン効果といって教師の期待によって生徒の成績が変わることが明らかになっていますが、まさにその原理です。成績を下げさせておいて、「勉強ができないダメな子ども」という“事実”を作り出します。
 相手に強烈な見捨てられ不安を植え付ければ、アルコール依存者、薬物依存者を作り出すこともできます。
「お前は飲んだくれのダメな奴」「社会を裏切ったどうしようもない人間」として罰することができます。「仕事ができない奴」「ダメな妻」などを作り出すことは簡単なのです。

 元看守の岡本茂樹氏が書いた「反省すると犯罪者になります」という本がありますが、受刑者たちに反省を強いても本人は全く腑に落ちず、逆効果であることを書いた名著ですが、受刑者の多くは自分は支配されて罪を起こさせられているだけで自分そのものではない、と直感的に気づいているのかもしれません。

 

 

・「支配者」は、支配のためには何でも利用する

 「支配者」は、”常識””ルール”だけではなく、支配に利用できそうなものは何でも利用します。自分のかわいそうな境遇、自分が成功したという美談、政治、経済、文化など支配に役立てば何でも用いるのです。
 
 例えば、有名企業の創業者が「支配者」の場合、「私は成功しました。あなたも、心を正しく持てば成功できます。」という主張をしていたとします。それを信じた人たちは、「私が上手くいっていないのは、私の心が歪んでいるからだ」として罪悪感を感じるようになります。「支配者」に疑問を感じても、「相手は“事実”、成功している。私は“事実”、成功していない。だから相手は“正しい”」と考えて、さらに、成功するために「支配者」への依存を強めていくということが起きます。この場合、”成功”というものを利用して、支配を行っているのです。

 


・「支配者」は意図的に支配している

 「支配者」について、本当はしたくもないのに無意識に支配をばらまいてしまうかわいそうな人なのかな?と考えてしまうことがあります。しかし、「支配者」は、自身が「支配者」であることを気付いていますし、意図的に支配を行っています。そこに罪悪感はありません。
 
 面白いことに、「支配者」自身が「私は、“神”だ」と言ったり、「私の考えこそが、ルールだ」と言ったり、「私は~~を支配している」と言ったりという事例を耳にしたことがあります。

 公的な場ではとても優しくて、いい人で「この人が「支配者」だなんて、やっぱり考えられない」と思っていたら、プライベートなど環境が変わったとたんに、態度が冷たく変わる、ということもあります。
 長く付き合っていると、「支配者」かどうかは態度でもわかることがあります。

 

 

・「支配者」と同じような行動をさせられる「虚無」や「光の人」 

 「虚無」や「光の人」でも「支配者」と同じような言動をする人がいます。他人を罵倒したり、攻撃したりといったことです。これらは、「支配者」によって支配されてしまうことによって生じているもので、「支配者」に踏み台にされていると言えます。
 
 よくあるケースは、母親が過干渉で口うるさくて支配的であった。一方の父親は無口な人で子どもには何も言ってこない人だった。しかし、チェックしてみると、父親が「支配者」であり、母親は「虚無」だった、という場合です。
 このケースでは母親は父親や自分の両親から支配され、幻想の愛や罪悪感で酔いの状態になり、本心ではしたくもないのに子どもに干渉していた、ということになります。

 このように表面だけで見ていては誰が「支配者」かわかりません。ミラーニューロンを通じて「支配者」の脳をまねさせられて、「支配者」のようにニセ神様にさせられている「虚無」や「光の人」はたくさんいます。

 経験的には、「虚無」や「光の人」が「支配者」と同じ行動をさせられている場合は、こちらが反撃すると一瞬我に返るように怯みますが、「支配者」の場合は、反撃しても全く怯む感じがありません。怯んだとしても、こちらに罪悪感を与える演技として怯んで見せているケースです。

 


・トラウマや悩みというのは、「支配」の楔(くさび)の役割をしている

 ここで疑問を感じることの一つは、カウンセリングでテーマとなる、トラウマや認知、気質(遺伝)といったものはいったいどういった意味があるのか、ということです。
 トラウマや認知、気質というのは、楔のように心身に打ち込まれて、支配を流し込む役割をしていると考えられます。トラウマというのは、処理されない記憶のことを指します。認知は思い込み、気質とは遺伝を背景にしたものです。
 これらは、「支配者」によって幼い頃などに植え付けられたもので、それらがあると、どうしても「支配者」に対して執着をさせられてしまいます。昔の出来事にこだわったり、ある考え方に縛られたりすることで、「支配者」を意識してしまうようになるのです。
 「支配者」を意識してしまうと、ミラーニューロンを介して否定的な感情や罪悪感、幻想の愛がもたらされてしまいます。

 カウンセリングの役割というのは、こうした楔を取り除いて(楔自体も幻想ですが)、支配されにくくすることにあります。

 

各タイプがより自由になるとどうなるのか?

・「虚無」は悩みはすべて自分のものではないと知り、不快な感じを感じてもやり過ごすことができるようになります。同じ「虚無」と一体感を感じながら、自分がやりたいことをやるようになります。

・「光の人」は自由になると、本当に求める神の愛と一つとなり、自分の意志ではなく、常に“心”の声を聴きながら生きるようになります。

・「支配者」は自由に他者を支配するようになります。
  ※「支配者」は罪悪感を持ったり、悩みを持つことはありません。悩みを持つふりはたくさんします。

 

 

 

なぜ、3つのタイプが存在するのか?

 基本は、「存在するから存在する」ということです。そこに理由はありません。自然界に、象がいたり、馬がいたり、犬がいたり、というように、存在するから存在する、ということになります。

 ただ、あくまで推測ですが、考古学者のジュリアン・ジェインズがその研究で示しているように、3000年前の人間は、意識がなく、無意識の声、神の声と一体となって生活していたとされています。徐々に意識が芽生えて、意識が優位な社会になったために、神や無意識から切り離されて孤独になった人間にとってよりどころとなるために生まれたのが、3つのタイプなのではないか、と考えられます。特に、近代以降の社会(精神科医の小此木圭吾や岡田尊司が自己愛型社会と呼んでいる社会)では、個人は自力で<私>という意識を成立させなければならず、<私>を承認して支える”ニセの神様(支配者)”をより必要とするのかもしれません。

 「虚無」や「光の人」が、「支配者」がいる意味を考えることは良いことではありません。「支配者」のことを考えさせられて、怒りや恐れを感じたり、グルグルと思考を巡らせてしまい、それがさらなる支配を生んでしまいます。

 

 

 

「3つの真実(3つのタイプ)」はいかにして発見されたのか?

 3つの真実(3つのタイプ)は、カウンセラーの大嶋信頼氏によって、臨床の中で見出されたものです。数多くのクライアントが催眠などの際に答えた内容から生まれています。もちろん、一人の人間だけでしたら単なる妄想ということになりますが、多くのクライアントが共通して答えることをまとめたものとされます。
 ミラーニューロンについては研究が進展することでもっと様々なことが分かるようになると思われます。
 「支配者」「虚無」「光の人」ということについては現時点では自然科学的に明らかにするということは難しいかもしれません。
 ただ、フロイトの説など多くの心理学の理論が証明不能ながらさまざまな問題の解釈に役立てられているように、この仮説、解釈を様々なケースに当てはめてみて、どれだけの説明力があるかを見ていくことで妥当性を確認することができます。

 心理学も含む社会科学の醍醐味は、以下に私たちを取り巻く事象を説明できる理論を提示できるか、ということにあります。

 一見するとかなり尖った内容ですが、この理論に共感をする人、実体験に当てはまるとする人は驚くほど多く、3つの真実は今後は臨床の柱となる理論の一つです。

 

 「3つの真実」そのものではありませんが、関連するものには、フロイトの研究や、ユングの集合的無意識、東京大学の安富歩教授らの「魂の脱植民地化」研究やフランスの精神科医、イルゴイエンヌによる「モラルハラスメント」。アリス・ミラー、アルノ・グリューンの研究、イギリスの作家のD・H・ロレンスの黙示録論、内藤朝雄教授による「いじめの社会理論」などがあります。システムズアプローチが家族などの関係の影響に注目しているのは3つの真実を知るとうなずけます。

 

 

 

「支配」から自由になるために必要なこと


 具体的に、「支配」から自由になる方法については、別の記事でまとめています。

 ⇒「「支配」から自由になるための15の方法

 

 

支配からの自由

 

 

 ※サイト内のコンテンツの転載、複製を禁止します。

(参考)

大嶋信頼「支配されちゃう人たち」
安富歩「生きる技法」
安富歩「ハラスメントは連鎖する」
深尾葉子「魂の脱植民地化とは何か」
ジュリアン・ジェインズ「神々の沈黙」

岡本茂樹「反省すると犯罪者になります」

 

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