解決までの期間、回数はその方のお悩みの内容や程度、量にもよりますので、事前にお答えすることは難しいです。お悩みの内容や、トラウマや機能不全な家族の文化やハラスメントの影響によって期間はまったく変わってきます。
ポップなカウンセリングや自己啓発の悪い影響からか、最初から”何回パック”というように回数が決められている、というような間違った認識もしばしば見られます。当然ながらそのようなことはありません。
また、トラウマについての間違ったイメージ、捉え方の影響もあります。たとえば、悩みの原因を“ビリーフ”や“ブロック”と表現したり、何かが取り付いているような状態と捉える場合がありますが、トラウマもその延長で捉えていることはよくあります。そのため、数回でトラウマがさっと取れると考えたり、顕著な症状が収まったことをもってトラウマが取れた、解放された、と勘違いしてしまっているケースもよくあります。
実際には下記にも触れますように、トラウマとはストレス障害であり、心理的にはハラスメントであり、機能不全家族からの影響、自己の喪失など影響は広範に及び、とりついたものが取れる外れる、といった性質のものではありません。
実際には下記にも触れますように、トラウマとはストレス障害であり、心理的にはハラスメントであり、機能不全家族からの影響、自己の喪失など影響は広範に及び、とりついたものが取れる外れる、といった性質のものではありません。
そのため、問題が深ければ時間がかかりますし、本当に軽いお悩みでしたらそれほどお時間はかからない場合もあります。トラウマや愛着、機能不全な家庭の問題があって重い場合は、2~3年はかかるとみておいたほうが結果的にはよい取り組みになります。もちろん、各回ごとにいろいろな症状や問題は軽くなりながら最終的にはそのくらいかかっていた、というイメージです。
当センターで提供しているトラウマケアは通常のカウンセリングに比して効果があるとはいえ、なぜ、時間がかかるか?といえば、トラウマというのは、トラウマを生んだ機能不全(非愛着的)な家族の文化、心理的な呪縛の影響を解くことや自己の再建にやはり思いのほか時間がかかるためです。
機能不全(非愛着的)な家族の文化、心理的な呪縛、自己の喪失、社会への信頼感の低下などの影響は、自身のトラウマの理解や、生きづらさの解決への取り組み方やセンスを棄損(喪失)させているという場合もよくあります。変化の兆しを感じることや、続けるとよくなるという信頼感やセンスそのものを失わせてしまうのです。
そのため、トラウマをケアすることと並行して自身の状態の深刻さへの理解や、解決への取り組み方のセンス自体をともに育てていく必要もあります。
トラウマや生きづらさの解決について一番の難しさは、トラウマそのものではなく、いかに正しい理解を持てるか?にあるといえるかもしれません。当センターでは、ご相談者の主体性を尊重しプレッシャーにならないことを重視し、それらに配慮しながら同時に、間違って途中で辞めてしまわれないように、トラウマケアの適切な取り組み方、進捗や症状のとらえ方をお伝えしようとしていますが、なかなか苦労やジレンマを抱えているのが実際です。
最初から何回までと期間をご自身で決めてしまっていて、本当であれば回数を重ねればもっと良くなるケースでも誤って中断したり、「これ以上はよくならない」「これはもう自分の性格だからトラウマとは関係ない」と思ってしまい、解決の機会を逸してしまう方も少なくありません。数回行ってみて効果が確認できれば、難しいケースでも回数を重ねると結局良くなっていきます(これは当センターのトラウマケアの特徴でもあります)。
解決の途中は山あり谷ありです。また、たくさんあるように見えて、トラウマをケアする方法や信頼できる場所は実はそんなに多くあるわけではありません。そのため、機会があって取り組み始めたのであれば、なるべく、正しく取り組み、誤って早見切りをしてしまわないようクライアント様にお伝えしています。