悩みの原因や解決方法

“FAP療法”とは何か?トラウマや難しい悩みを解決するための療法

[「ブリーフセラピー」とは何か?FAP療法とは何か?「トラウマ、PTSD」とは何か?悩みの原因や解決方法]


 

 当センターでも主軸の療法として採用している「FAP療法」についてその歴史やメカニズムについてまとめてみました。よろしければご覧ください

 ⇒関連する記事はこちらをご覧ください。

  「トラウマ、PTSDとは何か?あなたの悩みの根本原因と克服

 

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FAP療法

 

FAP療法とは何か?

日本発の心理療法

 FAP療法とは、1999年に発見され、2000年に日本においてカウンセラーの大嶋信頼氏らによって確立された心理療法です。ブリーフセラピーの一つとして位置づけられています。

 日本発として療法は、森田療法などがあります。多くのものは、海外発であったり、TFT、マインドフルネスなどのように海外に渡って発展してから、日本(東洋)に逆に入ってくるといったものがあります。FAP療法は、日本発で発展した数少ない療法の一つといえます。

 一般的な悩みはもちろんですが、PTSDや依存症をはじめ、強迫性障害、パニック障害、統合失調症の症状の軽減など、目覚ましい効果のある画期的な療法として注目されてきました。

 

(参考)ブリーフセラピーとは何か?

 ブリーフセラピーとは、比較的短期に悩みを解決できる現代的心理療法群の総称です(特定の療法を指しているわけではありません)。
 文化人類学者グレゴリー・ベイトソンの思想や,心理療法家ミルトン・エリクソンの手法を源流としています。比較的短期に解決できることからブリーフ(短期),セラピー(療法)と呼ばれています。

 

 

”共感”によってトラウマを解消し、本来の自分になる療法

 FAP療法は、今も現在進行形で発展しているため、明確に定義しにくいのですが、脳の繋がり、共感を用いてトラウマを解消し、クライアントがなりたい自分(本来の自分)になることを実現する療法 とされています。

その特徴として、

 1.究極の共感
 2.無意識を活用する、アクセスする
 3.誰にでも使えることを目指している

が挙げられています。

 よく、共感というと頷いたり、感情を込めたり、といったことと考えられていますが、FAPでは、主観をできるだけ挟まずにクライアントの訴えの真の姿を捉えようとしていきます。そうすることこそが、クライアントにとっては「本当に理解してもらうこと=共感」ととらえています。

 

 

 

FAP療法の発展の歴史~共感とは何かを求める営み

・臨床現場での発見

 FAP療法は、カウンセラーが暴露療法などトラウマ治療を行っている際に、クライアントの状態を投影してカウンセラーの体調が変化することに気づいたことから始まります。クライアントの症状を写しとるようにカウンセラーの内臓が反応し、共感していたのです。

 

・”FAP療法”として確立

 共感されることでクライアントのトラウマ、症状は消えていきます。ただ、誰でもそうした反応を感じ取れるわけではありません。そこで、簡単な方法で反応を感じて共感をおこないクライアントの悩みを打ち消すことができるよう、その方法が療法として体系化されました。当初は内臓の反応を指に投影させて、クライアントとカウンセラーが指を一緒に押さえることで悩みを消す方法が取られていました。しかし、クライアントと一緒に指を押さえることは時間や手間がかかります。そのため、方法が改良され(バージョンアップされ)カウンセラーが指を振るだけの方法になりました。

 

・現代催眠の手法を取り入れて進化

 この方法もカウンセラーの身体に負担が大きいために、次第に指を振るのではなく、相手から読み取った情報をキーワードとして唱えてクライアントに伝える方法になりました。
 ※脳と脳とはミラーニューロンを通じてつながっているということがFAP療法の前提となっています。ミラーニューロンとはイタリアの脳科学者が発見した共感を司る部位です。

 キーワードを唱えるというのは、カウンセラーが「怒り」「恨み」といったワードを唱えると、それによって共感が生じて、クライアントのトラウマ記憶を解消させていく、という方法です。言葉には瞬間に催眠状態を生み出す効果があります。落語や歌を聴いて笑ったり、泣いたりすることを想像していただくとわかりやすいのではないかと思います。感情にまつわる単語を耳にすると、感情を込めていないにもかかわらず、その感情が無意識に喚起され、トラウマ記憶が処理されていくのです。

 つまり、キーワードを唱えることは「言葉による共感」になります。真に共感するためには、いかに的確にクライアントの症状を言葉でとらえて表現するか、ということが重要になります。

 

・さらなる発展~システムズアプローチ(心理的支配)や、ホルモンや遺伝子などへのアプローチへ

 FAP療法では、クライアントの訴えを誠実にとらえて、キーワードとして取り込んできました。最初は単純に症状だけだったものが、脳の構造や、見捨てられ不安や怒りなど心理的な背景にあるもの、果てはシステムズアプローチのように家族からの影響などに拡大していきました。認知行動療法(暴露療法)を身体に投影するような形でスタートし、生体(脳、影響物質、遺伝子)、心理(怒り、見捨てられ不安)、社会(支配者)というまさに臨床心理学で本質とされることをなぞるように作られてきたといえます。

 FAP療法は、発展の段階を「バージョン」と表現していますが、16年の歴史を経て、2016年11月現在では、

 ver.12(トラウマケア、支配の影響をカット)

 ver.χ(心に聞く)

 Immerse in Fear Technique(恐怖に浸る)※最近はあまり用いられていません。

 ver.α(遺伝子コードを唱える)

 となっています。

 FAP療法の歴史は、クライアントが訴える苦しみを適切に捉える見立て、共感とは何かを求める営みといえるのです。

 

 

 

FAP療法の特徴

 FAP療法には、いくつもの特徴がありますが、主なものとしては以下の4つが挙げられます。

 

1.トラウマだけではなく、従来の心理療法では対応が難しい様々な症状でも解決できる

 FAP療法がカウンセラーやクライアントを魅了する一番のポイントは、難しい症状でも解決してくれる、ということです。


 なかなかおさまらなかった子どもの多動が数回で収まる。難しいとされる統合失調症の幻覚や妄想の軽減や人格の統合が数回のセッションで行われた。重い自閉症の症状が改善した、など特に初期の気鋭な頃に起こった伝説的なエピソードを耳にします。

 私たちが一番最初にFAPの効果を目の当たりにした例をご紹介させていただくと、恋煩いで悩む女性から相談を受けて、「男性と一緒の空間にいることができない。この居ても立ってもいられない感じをどうにかしたい。」という訴えに対して、20分程度の簡易なFAP療法を提供したことがあります。その頃は、又聞きで聞いた方法を訳も分からず試してもらったという程度です。すると、わずか20分にも関わらず、その女性は相手の男性のことを想像しても何も感じなくなったとおっしゃったのです。しばらくして、あるパーティーの席でその女性が平気な顔で男性が同席しているのを目にしました。恋煩いというと簡単なようでなかなか解決に手こずる訴えです。これが果たして従来の心理療法で20分で解消できるでしょうか?傾聴中心のカウンセリングであれば、セッションが何回も必要になるかもしれません。その効果の速さと深さには驚かされました。

 

<FAP療法が適用されている主なケース>

 いわゆるPTSD(心的外傷後ストレス障害)のみならず、各種の神経症(悩み)、気分障害、不安障害(パニック障害)、強迫性障害、摂食障害、依存症、解離性障害、人格障害、吃音、愛着障害、発達障害圏の疎通性や適応の向上、ADHD症状の緩和、統合失調症の症状の緩和、など、広範な事例が挙げられています。(統合失調症などの難しいケースは、医師の管理のもと慎重な対応が必要です)

 

 もちろんFAP療法も完璧ではなく解決が難しいケースも当然あります。その解決を目指してFAP療法は発展を続けています。

 

 

2.クライアントに負担が少なく、比較的短期間で効果が期待できる

・どのように行われるのか?~FAP療法のメカニズム

 トラウマとは、冷凍保存された過去の記憶のことを指します。通常の記憶は、状況記憶に対して感情が結びつくことで処理されていきます。私たちは睡眠をとるごとに徐々に記憶は遠く薄れていきます。

 しかし、トラウマとなるような理不尽な出来事は、あまりの衝撃に感情を結びつけることができません。そのためにフリーズ(冷凍)して、そのまま意識下に残ってしまうのです。


 時間が止まった状態でどれだけ時間がたっても処理されずに、今まさにその出来事があるかのように感じられたり、本人が覚えていなくても心身に様々な不調をもたらします。

 一人では消せない記憶であれば、友人や家族に「わかる、わかる」と共感してもらうと、2人の感情が状況記憶とつながり記憶は薄れます。愚痴を聞いてもらうことはとても良いことで、ある意味“トラウマケア”なのです。

 また、災害などのあまりにも大きな出来事の場合は、慰霊祭やお葬式で何千人、何万人もの方と一緒に悲しむことも、多くの人の力を借りて記憶に感情をつなげようとする作業で、実はセレモニーも自然な形の“トラウマケア”なのです。

 

 カウンセリングにおいては、そのようなことをいちいちしているわけにはいきませんので、体系化されたトラウマケアの手法を用います。

 FAP療法では、クライアントさんにカウンセラーが言葉で唱える「感情」にまつわるキーワードを連続して聴いていただきます。

 例えば、人間は、「怒り」という言葉を聞くと、怒りの感情が無意識に湧くことがわかっています。「恨み」と聞けば、恨みが、「不安」と聞けば、不安の気持ちがわきます。


 これは現代催眠で知られるメカニズムで、落語や歌や朗読でも自然と起きている現象です。落語などでは、目の間に何もなくても、情景が浮かび、涙し笑い出します。あれはある種の催眠なのです。言葉には催眠を誘発する力があることがわかっています。

 トラウマに関連する感情にまつわるキーワードを連続して聴くことで、トラウマ(記憶)を処理するのに必要な感情が意識下で次々を湧き、記憶とつながることでトラウマが処理されていくのです。

 

 クライアントは基本的に、過去のつらい記憶(トラウマ)を思い出したり、負担になる作業をしていただく、といったことは必要ありません。ただ、カウンセラーの指示に従って、キーワードを唱えたり、カウンセラーの言葉を聞いているだけで結構です。クライアントに負担が少なく、比較的短期間で効果が狙えることが特徴です。

 

 

・対面か電話か?

 対面でも電話でもセッションは行われます。対面でも、電話でも効果に違いはありません。

 


・どの程度の期間が必要か?

 解決にかかる期間は症状によってさまざまですが、1~2週間に1度のペースで受けて3~6カ月をまずは目安となります。逆に最短の間隔は中3日あれば大丈夫です。早く良くなりたいということで、最短の間隔で受ける方もいらっしゃいます。

 中3日とはFAP療法の「定着期間」と呼ばれるもので、最低その程度は空けていただいたほうが効果も確認できて、次のセッションを効果的に行うことができます。

 初回のセッション後から効果を実感される人もいれば、少しずつ効果が出てくる人もいます。カウンセリングの進捗には試行錯誤もあり、明らかな効果が感じられない時もあります。少なくとも3か月は腰を据えて取り組む必要はあります。体調を崩すといった副作用も、基本的にはありません。

 

 

 

3.真の意味での“外部化”を行うことができる

 FAP療法を用いて臨床の現場で感じることは、真の意味での”外部化”を行うことができる、という点です。

 カウンセリングの教科書などには、カウンセラーは、言葉のやり取りをしながら、悩みが実はクライアントそのものではなく、その外側にあるものとして気づきを促すとしています。そのことを外部化(外在化)と言い、悩み解消のプロセスで必ず生じるものとされています。

 しかし、従来のカウンセリング、心理療法は矛盾を抱えてきました。なぜなら、クライアントを責任ある主体、個人として捉えているために、悩んで生きているのも幸福であることも個人の選択としているからです。

 論理的な必然として、常に悩みはその人のものであるということに帰結してしまいます。やり取りを重ねれば重ねるほど、本質的な悩みであれば悩みであるものほど「内在している」ことになり、外部化できないのです。近代的人間観を元にした心理療法の最大の矛盾、限界です。

 そのため、カウンセラーであれば経験があると思いますが、いつまでたっても良くならないクライアントに対してイライラしたりします。クライアントさんも受容してくれるはずのカウンセラーから詰められた、怒られたといった経験を語る方は珍しくありません。

 怒りだしたカウンセラーの人間性に問題があるのではなく、カウンセリングの前提が「近代的個人」という人間観にのっとって出来上がっているからです。当然の帰結なのです。
 しかし、FAP療法は、丹念にクライアントの訴えを捉える中で、トラウマ、脳、支配者、遺伝と、悩みの原因を全て外部化していきます。何一つ内在しているものとしてはとらえません。真の意味での外部化を行えることは、他の心理療法では見られないFAP療法の特徴であり、最も素晴らしい点です。 


※心理学の研究においても、責任ある主体としての人間を証明することはかなわず、行動の要因は外部にあることがわかっています。(精神分析学では無意識、認知心理学では生理的運動や条件反射、社会心理学では社会や環境が要因とされているのです。)こうした点からもFAP療法は心理学の本質をなぞるように発展していることを感じます。

 

 

4.クライアントが自分自身を全て肯定、受容する枠組み、方法を提供できる

 真の意味での共感、外部化は何をもたらすのかといえば、それは、「クライアントが自分自身を全て肯定、受容できるようになる」ということです。
 カウンセラーはよく「あなたはそのままでいいんですよ」といいます。またクライアントを受容する、と言います。それらは、カウンセラーの人間性や訓練されたコミュニケーション力によるものと考えられていますが、実はそのようなものは必要ありません。訓練しても結局は受容しきれずイライラしてしまったりするのですから。

 それよりも必要なのは、淡々とありのままに事実をとらえクライアントに伝えること。それこそが真の受容や肯定を生み出します。悩みが外部にあること、そして、クライアントの状態をニュートラルに把握して記述し共感していくこと、そうすることで、クライアントはありのままの自分自身を肯定し、本来の自分になることができます。

 まさに、ロジャーズが理想としていたようなカウンセリングの王道を実現できる療法がFAP療法といっても大げさではありません。

 

 

 

FAP療法は何を目指しているのか?~クライアントが本来の自分で心のままに生きることができるようになることを目指す

 年々、発展しているため、今後どうなっていくのかは誰にもわかりません。一つだけ言えることは、FAP療法は、クライアントの悩みを本当に理解し、クライアントが本来の自分になり周囲と一体感を感じて心のままに生きることができるようになることを目指されているということです。

 もし、何かお悩みがあれば、一度FAP療法をお試しください。

 

 

 

参考:当センターでのクライアント様の感想

 当センターでFAP療法を受けた方の感想を書きにまとめております。よろしければ、ご参考ください。

 

 

 

FAP療法2

 

 

 ⇒関連する記事はこちらをご覧ください。

 「トラウマ、PTSDとは何か?あなたの悩みの根本原因と克服

 「3つの真実~「虚無」「支配者」「光の人」、私たちを分ける3つのタイプ

 書籍の紹介:大嶋信頼「言葉でホルモンバランス整えて「なりたい自分」になる!」

 書籍の紹介:大嶋信頼「小さなことで感情をゆさぶられるあなたへ」

 書籍の紹介:大嶋信頼「ちいさなことにイライラしなくなる本」

 書籍の紹介:大嶋信頼「「すぐ不安になってしまう」が一瞬で消える方法」

 書籍の紹介:大嶋信頼「あなたを困らせる遺伝子をスイッチオフ! ―脳の電気発射を止める魔法の言葉」

 書籍の紹介:大嶋信頼「「いつも誰かに振り回される」が一瞬で変わる方法」

 書籍の紹介:大嶋信頼「それ、あなたのトラウマちゃんのせいかも?」

 書籍の紹介:大嶋信頼「無意識さんの力で無敵に生きる」

 書籍の紹介:大嶋信頼「支配されちゃう人たち」

 書籍の紹介:大嶋信頼「ミラーニューロンがあなたを救う」

 

 

 

 

 ※サイト内のコンテンツのコピー、転載、複製を禁止します。

参考

 FAPに関する研究

 吉本雄史/中野善行「無意識を活かす現代心理療法の実践と展開」

 大嶋信頼「それ、あなたのトラウマちゃんのせいかも?」

 大嶋信頼「支配されちゃう人たち」

 大嶋信頼「ミラーニューロンがあなたを救う!」

 大嶋信頼「言葉でホルモンバランス整えて「なりたい自分」になる!」

 

 

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