悩みの原因や解決方法

私たちを悩ませる<機能不全な家族>の問題を解決する7つのポイント

[悩みの原因や解決方法「家族の問題(機能不全家族)」の原因と治し方]


 「<家族>とは何か?家族の機能と機能不全」を受けて、機能不全な家族の問題を解決するためのポイントをまとめています。よろしければご覧ください。

 

 

関連する記事はこちら

→「<家族>とは何か?家族の機能と機能不全

→「<家族>とは何か?家族の機能と機能不全~さらにくわしく知りたい方のために

 

<作成日2019.9.12>

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この記事の執筆者

みき いちたろう 心理カウンセラー

大阪大学卒 大阪大学大学院修了 日本心理学会会員 など

シンクタンクの調査研究ディレクターなどを経て、約20年にわたりカウンセリング、心理臨床にたずさわっています。 プロフィールの詳細はこちら

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 管見の限り専門の書籍や客観的なデータを参考に記述しています。

 可能な限り最新の知見の更新に努めています。

 

 

もくじ

機能不全家族とは?

<家族>の問題に気づくためのポイント

<家族>の問題を解決するための7つのポイント

 

 

「<家族>とは何か?家族の機能と機能不全」にもどる

 

 

 

機能不全家族とは?

 機能不全とは何かを知りたい方は、よろしければ下記の記事をご覧ください。

 →「<家族>とは何か?家族の機能と機能不全

 

 

<家族>の問題に気づくためのポイント

 自分自身が生きづらさや、悩みを抱えていてもそれが家族の影響によるものだ、と気がつけなかったりします。

 それどころか、「うちの家族はいろいろあるけど普通だ」「まあ、家族というのはこんなものだ」と思い込んでいたりもあります。

 

 機能不全な家族の問題を解決するためには、まずは、家族の問題に気づく必要があります。

 そのためのポイントをまとめてみました。

 

 →参考となる記事はこちら
 「あなたの苦しみはモラハラのせいかも?<ハラスメント>とは何か
 「モラハラへの対策、治療のために知っておきたい6つのこと

 

・「うちの家庭は何も問題がない」と感じていたら要注意!

 家族とはとてもぜい弱なもので、機能が満ち足りている家庭はありません。それは完璧な会社や組織がないのと似ています。「うちの会社は、完璧で全く問題はありません」と聞けば、「そんなわけないでしょ?」と思います。
 人間の作る集団は常に何かを抱えています。それをそのまま見て、感じることが大切です。


「うちは問題は何もない」と考えていること自体が、実は問題の兆候かもしれません。
 何かおかしいと考えることで、問題は浮かび上がってきます。

 

 

・家族を機能としてとらえてみる~「家族の愛」や「親子の愛」「夫婦の愛」という観念や「家族はこうあるべき」という常識はまず脇に置く

 上記でも書きましたが、家族というのはあくまで歴史的な観念にすぎません。そのため、そうした常識から考えると問題は見えなくなります。また、虐待や、暴力、モラルハラスメントを行うメンバーは、かならず、「おまえが悪いからだ」「おまえのためを思ってやっている」「本当は愛している」といった建前で覆い隠そうとします。ダブルバインドと言いますが、行動と言語で矛盾するメッセージが送られると人間は身動きが取れなくなります。


 そうしたことを防ぎ、問題を直視するためにもまずは、観念や常識は脇に置いてみましょう。そして、家族を「機能」としてとらえてみることです。機能としてとらえてみることで、客観的に問題を把握しやすくなります。

 

 

 ・ファンタジー(幻想の愛)に気をつける

 機能不全家族もケンカが起きている時もあれば、団らんもあります。それを指して、「ケンカするけど、本当は仲が良い」と考えてしまう方がいます。
 これは、共依存状態になっている方の典型的な症状です。家族の現実を見ることが怖いために、「本当は優しい人、仲が良い」というファンタジーを作り出して、苦痛を紛らわせている状態です。


 人間は常に鬼のような人はいません。例えば、家庭内で虐待を行う人でも、気まぐれに温かい表情を見せたり、機嫌がよくなったりすることがあります。だからと言って、それが本当の姿ではないし、仲が良いといったことを示しているものではありません。


 問題は、家族がケンカしたり、仲良くなったりする気まぐれにあなたが気をもまされたり、振り回されたりしていることです。そのことに気がつきましょう。

 

 例えば、あなたの頭の中に

 「問題があるけど、本当は家族は大事にしないといけないし・・・」
 「問題があるけど、優しいところもあるし・・・」
 「問題があるけど、穏やかな瞬間もあるし・・・」
 「問題があるけど、自分にも問題があるし・・・」
 「問題があるけど、家族がいなければ生活できなし・・・」

 という思いがグルグルしているなら、そこから抜け出したほうがいいというサインかもしれません。

 

 

・家族の機能が満たされているか?をチェックしてみる

 本記事で示した家族の機能が満たされているかをチェックしてみてください。
 特に「安心安全が満たされているか?」「メンバーが社会で生きていくために必要な導きや支えが提供されているか?」「自尊心が満たされているか?」をチェックしてみてください。
 過度な教育やルール、過干渉、否定的な言動や決めつけを繰り返す家族がいることや、社会へと導く父親的機能の欠如というケースは少なくありません。

 

 

・家族のメンバーの人生のステージ、発達段階に見合った対応、環境になっているか?を考えてみる

 上にも書きましたように、発達の段階、人生のステージごとに、求められるものは変わっていきます。反抗期で自立しようとしているお子さんに、手厚い世話は不要です。成熟期に入れば、夫婦の関係も変わっていきます。時間とともに変化をしているのに、同じであると考えていれば、あつれきが生まれてしまいます。

 

 

・“絆”、ネットワークとは不変ではなく移ろいゆくもの、と知る

 前項と関連しますが、人間にとっての”絆”というのは不変ではなく、人生のステージごとに変化していくものです。世の中でのつながり(ネットワーク)を接続-離脱しながら、人生は作られていきます。家族でも同様です。

 

 最初は「愛着」として唯一無二であったものが、ワンオブゼムへ(いくつものの絆の中の一つ)と変わり、自らパートナーを得て新しい家庭を持ち、またその家庭も相対化されていく、というプロセスを経ます。絆が不変である、そうでなければならない、としてしまうと、家族という存在は呪縛となってしまいます。

 

 

・役割や機能は完璧でも、なぜか自分の心が晴れないなら、やはりそれは機能不全です

 表面的に機能や役割が完璧にそろっていても、自分の気持ちが鉛のように重く晴れないなら、やはり問題はあるようです。社会では「家族はこうあるべき」という規範も強く、世間体を気にする家庭では外面だけが良い、ということはあり得ます。

 

 

家族

 

 

<家族>の問題を解決するための7つのポイント

 

・“自分にとって必要な”家族の機能を回復することこそが大切です

 大切なのは、自分にとって必要な家族の機能をどのように回復させるのか、ということです。特に、「安全基地」と、「社会への導きやサポート」という機能はとても大切です。世間で俗に考えられている家族のモデルに自分を合わせる必要はありません。むしろ、囚われ方抜け出せなくなる弊害も多い。


 家族は機能をはたせなくなった場合は、あり方を変えるように内や外から働きかける必要があります。また、家族の機能とは、決して家族固有の要素ではありません。そのため機能不全に陥った場合は、場合によっては、所属する家族から避難したり、家族以外のところで機能を満たすということが必要です。

 

 

・問題のメカニズムを理解する

 本記事でまとめたような内容や、モラルハラスメントやトラウマがどのようなメカニズムで、どのような症状を生み出すのかについて理解することも必要です。自分自身でも知識を仕入れて、まずは頭の中だけでも問題を整理しましょう。

 →参考となる記事はこちら
 「あなたの苦しみはモラハラのせいかも?<ハラスメント>とは何か
 「モラハラへの対策、治療のために知っておきたい6つのこと

 

 

・相談する相手は慎重に選ぶ

 社会では、「こうあるべき」といった家族に対する信念は根強いものがあります。相談する相手も、その信念に染まっています。カウンセラーや医師、教師でさえも自由ではありません。


 例えば、「問題があっても、家族は家族を愛しているものだ」といった考えを持つ人に相談しても、話は聞いてくれるでしょうが、「(問題のある状態でも)家族は本当は、あなたのことを大切に思ってくれているんじゃない?」といった答えが返ってきて、かみ合わない話になってしまいます。あるいは問題にこだわる自分が責められることが起きます。これをセカンドハラスメントといいます。

 

 相談先としては、精神保健福祉センター配偶者暴力相談支援センター子ども24時間電話相談児童相談所児童家庭支援センター、など公的なものや、民間では、NPOが行っている窓口、同じ問題を抱える人が集まる自助会また、モラルハラスメントなどにくわしいカウンセラーも良いでしょう。性的虐待や暴力などの場合は、警察への相談、通報をためらわずに行いましょう。

 

 

・自分が安心安全になることが最優先

 家族の世話を焼くということよりも、まずは自分にとって安心安全な環境づくりが最優先です。自分が余裕ができてはじめて他者のサポートできます。 

 

 


・家族への執着やトラウマを癒す

 長年、機能不全家族の中にいると、複雑性PTSD状態となり、自尊心が低下したり、身体にさまざまな症状が出るなど心身にさまざまな問題を抱えるようになります。一番は、家族に執着してしまうことです。もしそうした問題があるなら、トラウマをケアすることが必要です。


 →参考となる記事はこちら
 「トラウマ、PTSDとは何か?あなたの悩みの根本原因と克服

 

 

・家族を変えようとはしない

 相手を意図して変えることは誰にでもできません。人は自らなるようにしかなりません。解決行動は副作用として「おまえはおかしい」という非言語の前提が入ります。変えようとすると余計に変わらなくなります。
 
 ただ、機能を回復させる途中のプロセスとして、ある人を悪者とみなすことが必要なことはあり得ます。例えば、虐待をしている親がいた時にそれを悪者とするな、というのは明らかに無理なことです。
 その場合は、まず避難して当事者は別のところに代わりの家族を求めて、機能を回復することが必要です。

 

 

・環境を変える

 否定的な発言、心理的な支配、暴言、暴力が続く場合は、今の家族を維持したまま問題を解決しようとしてもなかなかうまくいきません。環境を変えることも第一選択として考えてください。一人暮らしや、離婚、子どもの場合でしたら、公的機関に保護してもらう、といったことをちゅうちょせずに検討しましょう。


 その際、「自分だけで生きていけるだろうか?」という強い不安がわいてきますが、実はそれも家族の否定的な影響による症状です。信頼できる相談相手の力も借りながら少しずつ悪い環境から抜け出していくことが大切です。

 

 

 

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関連する記事はこちら

→「<家族>とは何か?家族の機能と機能不全

→「<家族>とは何か?家族の機能と機能不全~さらにくわしく知りたい方のために

 

 

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(参考)

エドワード・ショーター「近代家族の形成」(昭和堂) 
エリザベート・バダンテール「母性という神話」(筑摩書房)
日本家族研究・家族療法学会編「家族療法テキストブック」(金剛出版) 
団士郎「対人援助職のための家族理解入門 家族の構造理論を活かす」 (中央法規出版)
東豊「家族療法の秘訣」(日本評論社)
フィリップ・アリエス「<子供>の誕生 アンシァン・レジーム期の子供と家族生活」(みすず書房)
岩間 暁子「問いからはじめる家族社会学」(有斐閣)
木下 謙治「家族社会学 :第3版 -基礎と応用-」(九州大学出版)
レイモンド・M.ジャミオロスキー「わたしの家族はどこかへん? -機能不全家族で育つ・暮らす-」(大月書店)
斎藤 学「「家族神話」があなたをしばる -元気になるための家族療法-」(NHK出版)
信田さよ子「アダルトチルドレン完全理解」(三五館)
斎藤学「アダルトチルドレンと家族」(学陽書房)
西尾和美「機能不全家族」(講談社)
星野仁彦「機能不全家族」(アートヴィレッジ)
亀口憲治「家族療法」(ミネルヴァ書房)
若島孔文、長谷川啓三「事例で学ぶ家族療法・短期療法・物語療法」(金子書房)
AERAムック「家族学のみかた。」(朝日新聞社)

森山茂樹「日本子ども史」(平凡社)
柴田純「日本幼児史 子どもへのまなざし」(吉川弘文社)
上笙一郎「日本子育て物語 育児の社会史」(筑摩書房)
中江和恵「江戸の子育て」(文春新書)
柴崎正行「歴史からみる日本の子育て」(フレーベル館)
梅村恵子「家族の古代史 恋愛・結婚・子育て」(六一書房)

広田照幸「日本人のしつけは衰退したか」(講談社)

E.トッド「家族システムの起源 上・下」(藤原書店)

E.トッド「新ヨーロッパ大全 Ⅰ Ⅱ」(藤原書店)

アスク・ヒューマン・ケア研修相談室「アダルト・チャイルドが自分と向きあう本

など

 

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