悩みの原因や解決方法

HSP(Highly Sensitive Person)とは何か?その特徴、診断、治療

[「HSP(Highly Sensitive Person)」の原因と対処法悩みの原因や解決方法]



 他人よりも敏感なために生きづらさを感じたり、苦しい思いをしている方は多くいます。
今回は、HSP(Highly Sensitive Person)についてまとめてみました。

 

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HSP

 

 

 

HSP(Highly Sensitive Person)とは何か?

 HSP(Highly Sensitive Person)とは、アメリカの精神科医、エイレン・アーロンによって、1996年に提唱された概念です。文字通り、「とても敏感な人たち」ということです。五感のみならず、第六感と言われる直感も含めて他人よりも敏感な人たちのことです。1~2割の方が該当するとされます。
 まだ、特に日本の精神医学においてまだ確立された概念とはいいがたいですが、自身やクライアントの悩みの理解には役立ちます。一つの視点として参考にしてください。

 例えば、下記のような特徴があれば、あなたはHSPかもしれません。

 ・人の感情や気分、行動からの影響、ストレスを受けやすい。
 ・深く内省することが多い。
 ・慎重さや、正確さ、細かさを求められる仕事が得意。
 ・深く集中することができる。
 ・とても良心的である。
 ・直感が鋭い
 ・カフェインなどの刺激に敏感。
 ・光や、音に敏感
 など(全てに当てはまる必要はありません。)

 

 

 

HSP(Highly Sensitive Person)の原因

 HSP(Highly Sensitive Person)は、病気ではなくあくまで気質、素質です。
 人間に現れる現象は、環境と遺伝との相関で症状が現れるかどうかが決まりますが、HSPについては「不安障害」といったような後天的な精神障害ではなく、生まれ持っての気質とされます。認知や性格の問題ではありません。
動物もそうですが、ある一定の割合で敏感な気質を持つ個体というのは生まれます。その敏感さは危機の察知や、創造性として発揮されていたと考えられます。

 必ずしも生きづらさとなるわけではなく、環境によって長所ともなれば、短所ともなります。

 

 

 

HSP(Highly Sensitive Person)のタイプ

 HSP(Highly Sensitive Person)は大きく3つのサブタイプに分けられることが知られています。

 

・内向的なHSP

 HSPの多くが内向的なタイプです。

 

・外向的なHSP

 HSPの3割くらいのが該当するとされます。大家族で育った、寮やシェアハウスなど共同生活の経験などがある場合に、他人といることに安心や落ち着きを感じます。
 ただ、外向的であってもHSPであることには変わりがないために、あまり長時間人と接していると疲弊してしまいます。


・刺激を求めるHSP

 冒険心に富むタイプで新しい刺激を求めます。ルーチンワークには飽きてしまいます。
当然ながら、刺激の影響を受けるので疲弊しやすくもなります。事後に理由なく後悔や自分を責めることもあります。意識して疲弊しすぎないようにバランスをとる必要があります。

 

 

 

HSP(Highly Sensitive Person)の特徴

 

・刺激への敏感さ

 光、音、におい、味覚、イメージ、特定の物質など、刺激に対してとても敏感です。どの感覚が敏感であるかは人によって異なります。

 

・人からの影響を受けやすい

 自他の境界が薄く、他者の思考や感情の影響をとても受けやすいです。HSPは、良心的であるケースが多く、それも人からの影響も受けやすい原因の一つです。他人から精神的な支配や悪意の影響も受けやすいです。また、恋愛においてもより強く巻き込まれてしまいやすいです。


  
・豊かな内的世界を持ち、深く思考する

 豊かな情感と感性を持ち、深く思考します。本や、音楽、絵画、などの芸術を好みます。

 

・直観力が強い

 鋭い直感やひらめきが強く、クリエイティブな職業で活躍する方も多いです。


  
・自分のペースで行動する

 敏感さゆえに他者からのストレスが強い状況や、複数の仕事を同時にこなさなければならない場面は得意ではありません。ストレスから身を守るために、自分のペースを大切にしようとします。


  

・自尊心が低い

 社会の多数は非HSP(鈍感な人たち)であるため、HSPは評価されず、自分の価値に懐疑的になり、自尊心は低くなる傾向があります。例えば、「繊細すぎる」「内向的だ」というのは、単なる特徴であるにもかかわらず否定的に扱われる経験が自尊心を低くしてしまいます。

 

・自分への要求水準が高い

 HSPは、自尊心が低いために、自らに他界要求を課してしまう傾向があります。頑張って期待に応えないと好かれないと考えて頑張ってしまいます。

  例えばこのようなことがあります。
  ・常にベストを尽くさなければならない。
  ・自分よりも他人を優先しなければならない。
  ・失敗してはならない。
  ・周囲の人を楽しませねばならない。  
  ・エゴを出してはいけない。
  など

 

・繊細で共感が強いために環境や他人の影響を受けやすい

 HSPはその繊細さや、将来の共感性の高さゆえに、環境や他人の影響を受けやすい傾向があります。そのため、他人の感情を自分のものとしてしまったり、相手を気にしすぎて、自分の本心をうまく表現できない傾向があります。

 

繊細さ

 

 

 

愛着障害やトラウマとの関係

 愛着とは、特定の他者との間に形成される情緒的な絆 のことを指します。通常は、生後半年から1歳半の間に養育者(親)に対して形成されます。鋭敏さが育てにくさにつながったり、些細なストレスが愛着形成を妨げることが考えられます。また、強い敏感さによって、些細な出来事もトラウマティックな出来事として影響を受けることが考えられます。

 安定した愛着の支え(絆)があれば、世界は心地よいものとして感じられ、多少の刺激にも動じることがありません。一方、不安定な愛着を持つ人にとっては自分を守るものがなく、世界は刺激の強い不安定なものと感じられます。

 参考となる記事はこちらをご覧ください。

 →「「愛着障害」とは何か?その症状・特徴と治療、克服のために必要なこと

 トラウマも同様に、意識下にトラウマを抱えている人にとっては平穏な日常も常に危機の状態にあります。震災後の人々がわずかな揺れにも敏感になるように、わずかな刺激にも反応するようになると考えられます。

 参考となる記事はこちらをご覧ください。

 →「トラウマ、PTSDとは何か?あなたの悩みの根本原因と克服

 

 

 

発達障害との関係

 アメリカの精神科医エイレン・アーロンは、HSPを発達障害とは全く異なる概念として位置づけています。発達障害にも感覚過敏があり似ているところがありますが、HSPと発達障害とは、他者の気持ちや場の空気への敏感さで区別されます。

 参考となる記事はこちらをご覧ください→「大人の発達障害の本当の原因と特徴~様々な悩みの背景となるもの

 

 

 

HSP(Highly Sensitive Person)の特徴を活かす、ケアする方法

・自らがHSPであることやその特徴を知る~HSPの自己診断、チェック

 まずは、自らがHSPであるかどうか、そしてその特徴を知ることが大切です。
 以下の問いに当てはまるか答えてください。

  ・自分と取り巻く環境の微妙な変化に良く気づくほうだ
  ・他人の気分に左右される
  ・痛みにとても敏感である
  ・忙しい日々が続くと、ベッドや暗い部屋などプライバシーが得られ、刺激から逃れられる場所に引きこもりたくなる
  ・カフェインに敏感に反応する
  ・明るい光や強いにおいざらざらした布地、サイレンの音などに圧倒されやすい
  ・豊かな想像力を持ち、空想に耽りやすい
  ・騒音に悩まされやすい
  ・美術や音楽に深く心動かされる
  ・とても良心的である
  ・すぐにびっくりする
  ・短期間にたくさんのことをしなければならないとき、混乱してしまう
  ・人が何かで不快な思いをしている時、どうすれば快適になるかすぐに気づく(例えば、電灯の明るさを調節したり、席を替えるなど)
  ・一度にたくさんのことを頼まれるのがイヤだ
  ・ミスをしたり、物を忘れたりしないようにいつも気をつける
  ・暴力的な映画やテレビ番組は見ないようにしている
  ・あまりにもたくさんのことが自分の周りで怒っていると、不快になり神経が高ぶる
  ・空腹になると、集中できないとか気分が悪くなるといった強い反応が起こる
  ・生活に変化があると混乱する
  ・デリケートな香りや味、音、音楽などを好む
  ・動揺するような状況を避けることを、普段の生活で最優先している
  ・仕事をするとき、競争させられた理、観察されていると、緊張し、いつもの実力を発揮できなくなる
  ・子どものころ、親や教師は自分のことを「敏感だ」とか「内気だ」と思っていた

  以上の問いに12個以上ある場合、HSPである可能性が高いです。ただ、12個以下でもその度合いが極端に強い場合は、HSPの可能性があります。
 (エレイン・N.アーロン「ささいなことにもすぐに「動揺」してしまうあなたへ。」より) 
 

・HSPと類似、関係するの症状

 発達障害、パニック障害、急性ストレス障害、適応障害、解離性障害、甲状腺機能障害、副腎疲労症候群、PMSなどがあげられます。HSPかどうかを知るには生育歴、家系なども考慮する必要があります。詳しくは、専門家に相談してみてください。

 参考となる記事はこちらをご覧ください。

 →「大人の発達障害の本当の原因と特徴~様々な悩みの背景となるもの

 →「パニック障害とは何か?本当の原因と克服に必要な5つのこと

 →「トラウマ、PTSDとは何か?あなたの悩みの根本原因と克服

 →「適応障害とは何か?~本当の原因、症状と治療、接し方で大切なこと

 →「解離性障害とは何か?本当の原因と治療のために大切な8つのこと

 →「境界例、難治性うつ病、人格障害などの意外な原因~甲状腺、副腎疲労など

 

 

・HSPを肯定的にとらえる

 HSPは、病気ではなくて気質です。本来は、良いも悪いもありません。自分の特徴を生かすためには、肯定的にとらえることが大切です。

 

 

・環境を調整する(外的環境)

 HSPはその自分に厳しい完璧主義さから、厳しい環境を望んだり、成長を求めますが、自分にとって心地よい環境を選ぶことが大切です。特に、自分の力が発揮できていないという直感があるのでしたら環境を変えることです。人間関係はもちろんですが、職業や働く環境についても、自分の特徴を生かせるような仕事を選びましょう。環境としては、例えばパーティションで仕切られたような刺激をコントロールできるような、集中できる環境が良いでしょう。

(参考)HSPに向いてる仕事(職業、職種)

 総論としては、芸術などのクリエイティブな職業が適しているとされます。芸術家やデザイナー、俳優など。他には、研究職、教師、美容師、医師、農業、会計士などの専門職が適しているとされます(※実際には営業など外向的とされる職種で活躍する人もいます。実際の職業は様々な要素で成り立つものですから、一概には言えません)。カウンセラーなど人と接する仕事にかかわることもあります。

 

 

・環境を調整する(内的環境)

 内的環境の調整も大切です。内的環境とは、例えばトラウマや不安定型愛着のことです。頭で記憶された過去の不適切な環境が影響して生きづらさを生んでいることがあります。その場合は、トラウマケアを受けるなどして、内的な環境を調整することも大切です。

  →「トラウマ、PTSDとは何か?あなたの悩みの根本原因と克服

 ただ、エイレン・アーロンも述べていますが、担当するカウンセラーが、外向的であることが望ましく、内向的な性格は改善しなければならないと考えている場合、HSPにとっては自分を認めてもらえないつらいセッションとなります。
 運悪くそうしたカウンセラーや医師に当たった場合も、致し方ないとして、自分を責めないことが大切です。

 

敏感さ

 

 

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(参考)

エレイン・N.アーロン「ささいなことにもすぐに「動揺」してしまうあなたへ。」

エレイン・N.アーロン「ひといちばい敏感な子」
長沼 睦雄「「敏感すぎる自分」を好きになれる本」
イルセ・サン「鈍感な世界に生きる 敏感な人たち」
苑田 純子「敏感すぎて困っている自分の対処法」
長沼 睦雄「気にしすぎ人間へ クヨクヨすることが成長のもとになる」

 

 

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