悩みの原因や解決方法

パーソナリティ障害についてさらにくわしく知りたい方のために

[悩みの原因や解決方法「パーソナリティ障害」の原因と治し方]


 

 今回は、「境界性パーソナリティ障害を正しく理解する7つのポイント~原因と治療」「パーソナリティ障害の正しい理解と克服のための7つのポイント」について、さらにくわしく知りたい方のための情報をまとめてみました。よろしければご覧ください。

 

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<作成日2019.9.18>

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この記事の執筆者

みき いちたろう 心理カウンセラー

大阪大学卒 大阪大学大学院修了 日本心理学会会員 など

シンクタンクの調査研究ディレクターなどを経て、約20年にわたりカウンセリング、心理臨床にたずさわっています。 プロフィールの詳細はこちら

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 管見の限り専門の書籍や客観的なデータを参考に記述しています。

 可能な限り最新の知見の更新に努めています。

 

もくじ

パーソナリティ障害に関連する障害や病気

パーソナリティ障害の割合と発症時期

パーソナリティ障害の歴史

 

パーソナリティ障害の形成メカニズム

「境界性」とは?
境界性パーソナリティ障害の有病率


境界性パーソナリティ障害の診断基準とチェック
境界性パーソナリティ障害と併発しやすい病気

 

 

 

→「パーソナリティ障害の正しい理解と克服のための7つのポイント」にもどる

→「パーソナリティ障害の10のタイプと特徴をわかりやすく解説」にもどる

 

 

 

パーソナリティ障害に関連する障害や病気


・双極性障害(Ⅱ型)

 躁状態になると、ハイテンションになって誇大な自信や行動で相手を振り回したり、うつ状態になって急に落ち込んだりします。
 境界性パーソナリティ障害と誤診されやすい症状です。

 ⇒「双極性障害(躁うつ病)の治療と理解のために大切な4つのポイント

 

参考)「厚生労働省 みんなのメンタルヘルス 双極性障害」

 

・うつ病

 パーソナリティ障害全般で関連があります。

 ⇒「うつ病の真実~原因、症状を正しく理解するための10のこと

 

参考)「厚生労働省 みんなのメンタルヘルス うつ病」

 

・統合失調症

 妄想性パーソナリティ障害、シゾイド(スキゾイド)パーソナリティ障害、失調型パーソナリティ障害と関連があります。

 ⇒「統合失調症の症状や原因、治療のために大切なポイント

 

参考)「厚生労働省 みんなのメンタルヘルス 統合失調症」

 

・妄想性障害 

 妄想性パーソナリティ障害と関連があります。

 

・不安障害

 パーソナリティ障害全般と関連があります。

 ⇒「パニック障害とは何か?その本当の原因と克服に必要な5つのこと

 

参考)「厚生労働省 みんなのメンタルヘルス 不安障害 パニック障害」

 

・強迫性障害

 自己愛性パーソナリティ障害と関連があります。
 同じような名前の強迫性パーソナリティ障害はあまり関連がありません。

 ⇒「強迫性障害を克服するために知っておきたい9つのこと~原因、症状、チェック

 

参考)「厚生労働省 みんなのメンタルヘルス 強迫性障害」

 

・摂食障害

 境界性パーソナリティ障害、失調型パーソナリティ障害と関連があります。

 ⇒「摂食障害とは何か?拒食、過食の原因と治療に大切な7つのこと

 

参考)「厚生労働省 みんなのメンタルヘルス 摂食障害」

 

・アルコール依存症、薬物依存症

 反社会性パーソナリティ障害と関連があります。
 パーソナリティ障害と合併している場合、依存症の治療は比較的難しいとされています。

 ⇒「依存症(アルコール等)とは何か?真の原因と克服に必要な6つのこと

 

参考)「厚生労働省 みんなのメンタルヘルス 依存症」

 

・発達障害

 診断においては発達障害とパーソナリティ障害は合併することは基本的にないと考えられています。
 発達障害傾向のある人が不遇な環境におかれて、次第にパーソナリティも偏り始める、といったことはあるようです。

 

 アスペルガー障害傾向があれば、シゾイドパーソナリティ障害や強迫性パーソナリティ障害が生じやすくなります。

 

 ADHD傾向があれば、反社会性パーソナリティ障害や境界性パーソナリティ障害が生じやすくなります。

 発達障害とパーソナリティ障害とは、鑑別が非常に難しい。自己愛の未熟さという観点から、広義の発達障害として臨床を行っている医師もいます。

 ⇒「大人の発達障害の本当の原因と特徴~さまざまな悩みの背景となるもの

 

参考)「厚生労働省 みんなのメンタルヘルス 発達障害」

 

 

 

パーソナリティ障害の割合と発症時期

 アメリカの調査では、人口10%強となっています。
 診断基準にもよりますが、日本も同等かやや少ないのではないか?と考えられています。
 男性よりも、女性のほうが3倍程度多いとされています。

 

 10代後半から20代前半までの間に徐々に傾向が現れるとされます。
 トラウマ体験をきっかけに大きく崩れることもあります。
 20代後半以降に現れる場合は、パーソナリティ障害とは別の要因が考えられます。

 

 

 

パーソナリティ障害の歴史

 20世紀初頭、パーソナリティのゆがみは、「精神病質」と呼ばれていました。精神病質とは、精神病に移行する途中の段階、正常と病気の間という意味です。その後シュナイダーによって、現在のパーソナリティ障害概念の基礎が作られました。


 1950年代以降は、精神疾患と神経症の中間の状態は「境界例(ボーダーライン)」と呼ばれるようになりました。境界例とされる患者が、治療にかかわる人たちを振り回す状態をカーンバーグが「境界性パーソナリティ構造」と呼びました。

 

 精神分析家のコフートは、自己愛が適切に発達していない状態として「パーソナリティ障害」を捉えました。コフートの研究は、パーソナリティ障害のメカニズムを理解するうえでとても重要なものです。

 

 1980年代に入ると、パーソナリティ障害という概念が確立し、境界例とされていたケースを取り込み、パーソナリティは治療の対象として位置づけられるようになりました。

 

 ハーマンによって、虐待を受けた人たちが対人関係や情緒において不安定な姿を見せることから、トラウマにさいなまれてきた人たちが境界性パーソナリティ障害とみなされてきたのではないか、との捉え方も提起されました。ただ、パーソナリティ障害のすべてがトラウマと関係しているわけではない、ということもわかってきており、トラウマは数ある要因の一つという理解に落ち着いています。

 

 パーソナリティ障害は、現在では、生まれながらの気質や養育環境など成長する中でさまざまな影響を受けて自己愛に問題が生じた結果であると考えられています。

 

 社会的にみると、かつては、宗教団体やヤクザなどが一般的な社会では生きづらい人を上手に吸収してきた歴史があります。あるいは、落語の世界のように、人間というのは困った人がたくさんいるというおおらかさがあったのかもしれませんが、最近は、自己愛型社会と言われるような状況や、周辺の居場所が失われてきたことなどさまざまな理由からパーソナリティ障害とされる症例は目立つようになってきています。

 

 

 

 

パーソナリティ障害の形成メカニズム

 パーソナリティ障害とは、人格や性格の問題ではなく、自己愛の問題としてとらえるととらえやすくなります。私たちは、自分を大切にする心性をもっています。それが自己愛というもので、自己愛によってアイデンティティが形成され社会適応をはたしていきます。

 

・自己愛の形成

 人間は、主として母親との以心伝心のかかわりの中で愛着が形成されます。最近の研究では愛着が形成されるのは、生後半年から1歳半頃だとされます。その時のかかわりが不適切な場合は、愛着障害に陥ると考えられています。バリントなどが「基底欠損」と呼んだものとほぼ同じ状態です。


 1歳半から3歳ごろになると、それまでの母子一体となっている状態から母子が分離していく状態になります。その期間のことを、分離‐個体化期と呼びます。

 

 

対象恒常性の獲得

 分離―個体化期で重要なことの一つは、「対象恒常性の獲得」です。自己愛の発達の過程では、愛着の対象が安定していることが重要とされます。一貫したものとして対象が安定していると「対象恒常性」が身につきます。つまり、目の前にいるお母さんが自分の欲求を満たしてくれる時は「良い母親」、満たしてくれない時は「悪い母親」と別のものとして認識されるのではなく、状態は変わっても同じものとして認識することです。

 

 

・「全体対象関係」と「部分対象関係

 その状態のことを、クラインは「全体対象関係」と呼びました。愛着の対象が情緒的で不安定であったり、愛情の満たされ方や母子の分離が不適切だと、対象のある一面を別々のものとして認識する「部分対象関係」のままにとどまってしまいます。

 

 対象恒常性が身につくと、場面が違っても対象のいろいろな面を統合してバランスをもって認識できるようになります(全体対象関係)。一方、部分対象関係の場合、自分にとって都合のよい時は「良い人」「味方」、そうではければ「悪い人」「敵」というような二分法的で、極端な認識となります。

 

 境界性パーソナリティ障害などでみられる、極端に自己や他者の評価が揺れ動くのはこうしたメカニズムによると考えられます。

 

 

・「誇大化した自己」「親のイマーゴ(理想像)

 分離―個体化期でもう一つ大切なのは、自己愛の中間段階である「誇大化した自己」「親のイマーゴ(理想像)」が適度に満たされることです。この時期の子どもは、誇大化した自己のイメージと万能感、親については全能の理想的な存在と感じている段階です。

 

 

・自己や理想像が等身大のサイズに

 子どもは絶えず自己顕示と親からの承認を必要とします。承認欲求や理想像としての役割が適切に満たされると、次の段階では、自分は万能ではないと知りながらも自尊心をもって自分を大切にできたり、親も等身大の人間なのだと知ることで、他者への共感や思いやりの気持ちを獲得していきます。


 親からの承認や理想像としての役割が不十分だと、「誇大化した自己」「親のイマーゴ」の未熟な段階でとどまり続けます。自己愛性パーソナリティ障害などで、他者からの称賛が得られないと怒りを感じたり、ひどく落ち込んだりすることはこうしたことから説明できると考えられています。

 

 

・未熟な自己愛が問題を生む

 パーソナリティ障害は、このように自己愛が未熟な段階にとどまることで生じる障害(失調)とされます。パーソナリティ障害でみられる数々のアンバランスさや問題行動は未熟な自己愛からくる生きづらさを補い、社会に適応するための代替の方略と言えます。

 

 

 

 

 

「境界性」とは?

  「境界性」とは、精神疾患と神経症の境界という意味です。英語では、「Borderline Personality Disorder(BPD)」とされることから、「ボーダー」「ボーダーライン」などと呼ばれることがあります。
  

  もともと、精神疾患とは診断できないが、かといって神経症とも言えない、対応が難しいグループがいることはわかっていました。そうしたグループは「境界例」「ボーダーライングループ」と呼ばれていました。1950年代になると、アメリカで「境界例」の報告が急増するようになり、日本でも20~30年遅れて報告が増えるようになりました。

 

 1980年代に入ると、パーソナリティ障害という概念が確立し、境界例とされていたケースを取り込み、パーソナリティは治療の対象として位置づけられるようになりました。

 

 「境界性パーソナリティ障害」という概念をうまく活用することは治療や理解の大きな助けになっています。


  

 

境界性パーソナリティ障害の有病率

  アメリカの調査では、人口の2~5.9%が該当するとされています。女性のほうが重いケースが多い。若くして発症するほうが重篤なケースが多いとされます。

 

 

 

境界性パーソナリティ障害の診断基準とチェック

下記の症状で5つ以上当てはまる場合に当てはまる可能性があると仮に診断されます。

 

 1.見捨てられる不安

  見捨てられることを避けようとするなりふり構わず行動する。

 

 2.不適切な怒り

  激しい怒りをコントロールすることができずに周囲にぶつけてしまう。

 

 3.感情が不安定

  不安やいらだちなど、情緒が短時間で変わりやすく不安定。

 

 4.2つ以上の衝動的な行動が見られる

  浪費、性行為、アルコールやその他の物質乱用、無謀運転、無茶食いなど自分を傷つける可能性のある2つ以上の衝動的な行為。

 

 5.極端で不安定な人間関係

  理想化とこき下ろしとの両極端を揺れ動くことで特徴づけられる、不安定で激しい人間関係。

 

 6.自殺企図や自傷行為

  自殺企図や自傷行為などを行い周囲を脅すような自己破壊的な行動。

 

 7.自己同一性障害

  自分がどんな人間かわからず、自分の感覚や考えに自信がありません。

 

 8.慢性的な空虚感

  生きている実感がない、むなしいといった感覚があります。

 

 9.ストレスで生じる妄想的な思い込みや解離症状

  ストレスによって妄想的な思い込みや重い解離症状が生じます。

 

 

 

境界性パーソナリティ障害と併発しやすい病気

・うつ病

 約3割がうつ病を併発します。併発の数字は低いですが、軽度~中程度のうつ状態も含めると最も併発しやすい症状です。

 ⇒「うつ病の真実~原因、症状を正しく理解するための10のこと

 

参考)「厚生労働省 みんなのメンタルヘルス うつ病」

 

・依存症

 約4割がアルコール依存、約2割でその他の依存症を併発していることが分かっています。
 自己破壊の衝動もありますが、依存によって不安を一時的に癒していると考えられます。

 ⇒「依存症(アルコール等)とは何か?真の原因と克服に必要な6つのこと
 

参考)「厚生労働省 みんなのメンタルヘルス 依存症」

 

・不安障害(パニック障害など)

 約7割が不安障害を併発します。
 ⇒「パニック障害とは何か?その症状のチェックと本当の原因」 

 

参考)「厚生労働省 みんなのメンタルヘルス 不安障害 パニック障害」

 

・PTSD

 約4割にPTSDを併発しています。幼いころの逆境体験が発症に影響すると考えられます。

⇒「トラウマ、PTSDとは何か?あなたの悩みの根本原因と克服」 

 

参考)「厚生労働省 みんなのメンタルヘルス PTSD」

 

・解離性障害  

 境界性パーソナリティ障害では、幻覚や離人感といった解離症状が見られることがあります。
 ⇒「解離性障害とは何か?本当の原因と治療のために大切な8つのこと

 

参考)「厚生労働省 みんなのメンタルヘルス 解離性障害」

 

・摂食障害

 体重をコントロールすることで自分の価値や人生への不安を緩和させようとするもので、自分は価値がないと思っている境界性パーソナリティ障害では併発しやすい病気です。
 ⇒「摂食障害とは何か?拒食、過食の原因と治療に大切な7つのこと

 

参考)「厚生労働省 みんなのメンタルヘルス 摂食障害」

 

・発達障害

 最近は、パーソナリティ障害のさまざまな症状をある種の退行として、広義の発達障害の観点からとらえる考え方もあります。
 ⇒「大人の発達障害の本当の原因と特徴~さまざまな悩みの背景となるもの

 

参考)「厚生労働省 みんなのメンタルヘルス 発達障害」

 

 

 

 

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(参考)

青木省三「精神科治療の進め方」(日本評論社)
青木省三「大人の発達障害を診るということ」(医学書院)
林直樹 編「こころの科学vol.185 パーソナリティ障害の現実」(日本評論社)
林直樹 編「こころの科学vol.154 境界性パーソナリティ障害」(日本評論社)
林直樹「パーソナリティ障害」(新興医学出版社)
市橋秀夫「パーソナリティ障害のことがよくわかる本」(講談社)
磯部潮「人格障害かもしれない」(光文社)
岡田尊司「ササっとわかるパーソナリティ障害」(講談社)
岡田尊司「パーソナリティ障害」(PHP)
岡田尊司「ササっとわかる「境界性パーソナリティ障害」」(講談社)
牛島定信「やさしくわかるパーソナリティ障害」(ナツメ社)
高岡健「人格障害のカルテ 理論編」(批評社)
高岡健「人格障害論の虚像」(雲母書房)
大泉実成「人格障害をめぐる冒険」(草思社)
笠原嘉「精神病」(岩波書店)

ジョエル・パリス「境界性パーソナリティ障害の治療」(金剛出版)

神田橋條治「神田橋條治 医学部講義」(創元社)

など

 

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