双極性障害(躁鬱病)とは何か?実は”体質の問題”という正しい診断と理解

双極性障害(躁鬱病)とは何か?実は”体質の問題”という正しい診断と理解

うつ・気分障害

 かつては、躁うつ病と呼ばれていた双極性障害。実はかなり誤解が多く、医師でさえその実態を正しく捉えることができていない、とされます。一方で、適切に措置されれば、短期で軽快していくことも知られています。今回は、医師の監修のもと公認心理師が、双極性障害について正しい診断と理解ができるように、色々な視点からまとめてみました。

 

<作成日2016.4.30/最終更新日2024.6.4>

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飯島慶郎医師  

この記事の医療監修

飯島 慶郎 医師(心療内科、など)

心療内科のみならず、臨床心理士、漢方医、総合診療医でもあり、各分野に精通。特に不定愁訴、自律神経失調症治療を専門としています。プロフィールの詳細はこちら

 

この記事の執筆者

三木 一太朗(みきいちたろう) 公認心理師

大阪大学卒 大阪大学大学院修士課程修了

20年以上にわたり心理臨床に携わる。様々な悩み、生きづらさの原因となるトラウマ、愛着障害が専門。『発達性トラウマ 「生きづらさ」の正体』など書籍、テレビ番組への出演、ドラマの制作協力・監修、ウェブメディア、雑誌への掲載、多数。

プロフィールの詳細はこちら

<記事執筆ポリシー>

 ・公認心理師が長年の臨床経験やクライアントの体験を元に(特に愛着やトラウマ臨床の視点から)記述、解説、ポイント提示を行っています。

 ・管見の限り専門の書籍や客観的なデータを参考にしています。

 ・可能な限り最新の知見の更新に努めています。

 

 

もくじ

双極性障害(躁鬱病)とは何か~基本的には”体質”の問題
双極性障害のタイプと特徴からチェックする
双極性障害の症状からチェックする
他の病気やタイプ間の鑑別のポイントからチェックする
躁うつ体質の特徴からチェックする
合併しやすい症状からチェックする
間違われやすい病気からチェックする

 

 →双極性障害(躁鬱病)の治し方については、下記をご覧ください。

 ▶「双極性障害(躁鬱病)の治し方~正しく対処するための6つのポイント

 ▶うつ(鬱)病とは何か~原因を正しく理解する9のポイント

 

専門家(公認心理師)の解説

 双極性障害とは、基本的には「躁うつ体質」という体質の問題です。体質が環境や状況に合わないために病的な状態に陥ってしまうのです。こうしたことを基本として起きている悩み、問題をとらえていく必要があります。しかし、なかなか適切な理解が広まっていないために、間違った治療がなされてこじれてしまっているケースが多いとされます。まずは、正しい理解をする必要があります。

 カウンセラーにとっての双極性障害(Ⅰ型)は、「相談に来られても、1,2回ですぐに来なくなる」というのがある種の”常識”です。本文にも書きましたように、内省が不得手ですからカウンセリングという場もあまり向いていないことが原因と考えられます。また、例えば「予約が混んですぐにはカウンセリングをできない」というと人懐っこさで「なんとか、早めてください」とお願いされることもよくあります。早めてカウンセリングを実施したとおもったらすぐにお越しにならなくなります。あとで、「双極性障害だったんだな」と気が付きます。あるいは予約をしても予約の先送りを繰り返したりするなどされます。独特の雰囲気や話し方をお持ちの方が多いです。

 一方、双極性Ⅱ型は、こうしたことになからずしも当てはまりません。通常のカウンセリングや心理療法を行うことができます。

 

 

 

双極性障害(躁鬱病)とは何か~基本的には”体質”の問題

 双極性障害(Bipolar disorder)とは、「うつ」状態と「躁」状態とが交互に現れる病気です。かつては躁うつ病と呼ばれていました。まだ、わかっていないことも多いとされますが、うつ病とは全く異なる病気です。実際に、双極性障害はうつ病とは治療方法も異なります。

 

下記のような違いがあります。

 

1.基本的には「躁うつ体質」という体質と環境の問題

 医師の神田橋條治氏が臨床において見出した知見によれば、双極性障害とは基本的には体質の問題です。「躁うつ体質」と呼びます。

躁うつ体質とは、

 ・調子に波がある

 ・のびのびした、バラエティに富む人生を欲し、窮屈な環境では調子を崩しやすい

 ・人と馴染もうとする。人懐こさ、人に甘える傾向。外に合わせようとする。雰囲気の柔らかさ、快活さ

 ・関係を生きる

 ・秘めることが苦手で表出に傾きやすい

 ・内省が苦手で言語化が不得手。感性や感情が行動に直結する

 ・言葉にできない自他の心のあやを感知しやすく、対人関係職で成功しやすい(教育、福祉職、サービス業など)

 ・あっさりしていて、執念深くない

 ・一つのことに集中するのが苦手。複数を同時並行で対応することが得意

 などが特徴です。

 こうした体質、特徴に合わない状況や環境、仲間はずれにされる、関係がうまくいかなくなる状況に置かれると、いわゆる「双極性障害(躁うつ病)」として問題化する、と考えられます。休職する教師が多く、問題となっていますが、教員のうつの多くが実は躁うつ体質によるものではないか?とも指摘されています。

 

2.うつ病とは本質的に異なる症状

 その名の通り、「躁」状態があることが異なります。ただ、表面的に躁状態が付加されているだけということではありません。本質的に両者は異なると考えられています。
 
症状の違いとしては下記のことがあります。

 
<双極性障害に見られる症状>

躁状態

 ・気分変動あるいは躁状態

 

うつ状態

 ・過眠
 ・過食
 ・精神運動制止
 ・自責感、罪責妄想
 ・非定型症状(鉛様まひ、拒絶過敏性など)

 
 うつ状態は、表面的にはうつ病とほぼ同じですが、双極性障害の場合、急激な発症、症状が重い、幻覚などが見られる、うつ病状態の回数が多いといった違いがあります。

 

<うつ病(単極性)に見られる症状>

うつ状態

 ・不眠
 ・食欲不振
 ・精神運動焦燥
 ・身体的愁訴(頭が重い、など)

 

3.抗うつ剤や内省が効かない~当初は治療だが、基本は環境や生き方の調整

 うつ病は、抗うつ剤などを用いますが、双極性障害では気分安定剤(リチウムなど)を中心に用いられます。
双極性障害と知らずに抗うつ剤を処方していると、効かないだけではなく、不安定になったり躁転(躁状態になる)するなど悪化することがあります。

 躁うつ体質とはとらえてもらえずに、抗不安薬などを服用してさらに悪化するという場合もあります。また、精神療法においても内省を行うと悪化するといった特徴があります。そのため、一般的なカウンセリングではなく、大きな波は薬で調整しながら、環境・生き方の調整が主になります。

4.発症時期などの違い~比較的若年で生じ、再発率がとても高い

 うつ病が中年に多い病気であるのに対して、双極性障害は若年で発症します。生来の双極性気質を持ち、成長に伴い学校など規律が厳しくなるなど環境が窮屈になるにつれて発症と考えられています。10代で発症するケースもあります。うつ病が男女比で1:2であるのに対して、双極性障害では男女比に差はありません。

 また、うつ病は1~2年で治り、再発が少ないのに比して、双極性障害は治療に時間がかかり、一度症状が落ち着いても90%以上の確率で再発します。うつ病が日本では人口の7%程度に見られるのに対して、双極性障害は1%未満とされています。

 

5.躁うつ体質を知る治療者の少なさ、診断の難しさ

 双極性障害は、躁うつ体質といった知識や状況を知る治療者がそもそも少ない、という問題があります。そのため、うつ病や統合失調症、依存症といった表面の症状からほか病気と間違われたり、投薬によってさらにこじれてしまったりすることが少なくありません。間違った治療を受けるとあっという間に時間が過ぎてしまいます。アメリカでは診断の確定まで平均8年かかるとも言われています。診断の難しさは、適切な治療の妨げとなっています。

 

6.病識を持つことの難しさ

 躁状態などでは、本人は絶好調と感じられているため、自分が病気であるという認識を持ちづらく、治療の妨げとなります。特にⅡ型の場合は性格のせいだととらえられていて、周囲も「気まぐれ」「わがまま」と考えていることが多いです。

 

 

 出典:加藤忠史「双極性障害」(ちくま新書) など

 

双極性障害(躁うつ病)の有名人

 ソ連の書記長ニキタ・フルシチョフ(キューバ危機のきっかけとなったキューバへの核ミサイル設置は、躁状態によるものではとも言われています。日本史の研究者によると足利尊氏はその行動から双極性障害であったともいわれています。) あと、作家の北杜夫、中島らも、などがいます。

 

参考)「国立精神・神経医療研究センター「こころの情報サイト」 双極性障害」

 

 

 

双極性障害のタイプと特徴からチェックする

 研究者によって細かなタイプが提唱されていますが、大きくは3つのタイプに別れます。Ⅰ型とⅡ型についても、単に程度の軽さとして捉えるのではなく、別の病気と捉えるほうが適切です。

米国精神医学会 DSM-5-TR(医学書院)などを元にまとめています。

 

双極性Ⅰ型(うつ状態+激しい躁状態)

特徴)

・躁状態が7日間以上続く場合Ⅰ型とされる(り患している期間の1割程度)
・社会機能に支障をきたすような激しい躁状態 

 

・わずかな躁状態(1割程度の期間)と長いうつ状態(り患している期間の3割程度)
・うつ病よりも自殺のリスクは高い(双極性障害の死因の2割は自殺とされます)

・うつでも躁でもない時期もある(り患している期間の5割強は何もない期間)
・加齢とともに躁とうつのサイクルは短くなってくる

 

 

双極性Ⅱ型(うつ状態+軽い躁状態)

特徴)

・躁状態が4日間以上続く場合Ⅱ型とされる
・循環気質(社交的で、親しみやすく、ユーモアがある)

・しつこい、慢性的なうつ状態(り患している期間の半分くらいの期間)

・軽い躁状態は絶好調と感じられる時期もあれば、焦りやイライラとして感じられる時期もある

・うつの時期は、億劫さや過眠、体重増加が見られる
・うつでも躁でもない時期もあるが、Ⅰ型より短い(り患している期間の5割弱は何もない期間)

・自殺のリスクは、双極性Ⅰ型よりもさらに高い
・パニック障害やPTSDなど不安障害との合併も多い

・対人過敏や気疲れが見られる。お節介で過干渉気味になることも

 

 

気分循環症(軽いうつ状態+軽い躁状態)

・少なくとも2年間、基準に満たない軽いうつ状態と軽い躁状態を繰り返す
・何もない時期もあるが、その時期が短く2カ月も持たない
・気分屋として見られる

 

 

 

双極性障害の症状からチェックする

米国精神医学会 DSM-5-TR(医学書院)などを元にまとめています。

躁状態の症状

・気分や行動、活力の異常かつ持続的な高揚。怒りやすく、開放的。これがⅠ型の場合は少なくとも1週間続く(Ⅱ型の場合は4日間)。

 

そして、Ⅰ型とⅡ型では程度が異なりますが、基本的には下記のようなものが見られます。

・自尊心の肥大

 自信がみなぎるような感覚です。周囲からはうぬぼれと感じられます。

・睡眠欲求の減少

 短眠でも元気で、一晩中動きまわるということもあります。

・多弁

 急速な思考のままにおしゃべりが止まらなくなります。

・観念奔逸(急速な思考)

 観念奔逸とは思考が飛ぶことです。アイデアが次から次へと湧いてきます。思考が早すぎて周囲はついていけないほどになります。

・注意散漫(注意転動性)

 急速な思考のままに、注意が散漫になります。

・活動の増加(目的指向性の活動)

 エネルギッシュになり、さまざまな活動を行います。

・困った結果につながる活動への熱中

 仕事でのトラブル、無謀な投資やギャンブル、浪費、危険行為、奔放な性行動など、現実においても生活や人間関係を壊しかねない行動をとり、痛ましい結果を招いてしまいます。

・その他

 フラッシュバックによって幻覚や妄想、緊張病状態などが見られることがあります。

 

 

(双極性の)うつ状態の症状

以下のうち抑うつ気分、あるいは興味喜びの喪失を含む5つが2週間見られる(双極性Ⅰ型の場合は必須ではない)。

 

・抑うつ気分

 Ⅱ型の場合はピリピリとした焦燥感が特徴であるとされます。うつ病でも焦燥感は見られますが、双極性障害の場合はより強く感じられます。

・興味、喜びの喪失

・思考力の低下

・無価値感、罪責感

 急速な思考によってうつ病よりも自己否定が強くなります。うつ状態では下記のような妄想が見られることがあります。貧困妄想(お金がない、破産すると信じてしまう)、心気妄想(自分が重篤な病気にかかったと思う)、罪業妄想(自分は罪深いと考えてしまう)。

・体重の増減

・睡眠障害(不眠や過眠)

 双極性障害の場合は過眠がよく見られます。

・疲労感、気力の減衰

・幻覚

・死についての反復的な思考(自殺念慮、自殺企図)

・その他

 特にⅡ型の場合は症状が移ろいやすく、ふぞろいで、場面によって現れたり現れなかったりといった特徴が見られます。また、うつ状態が慢性化しやすく、治療への取り組みが失われ、依存症に陥ったりといったことが急速に生じます。

 

混合状態の症状

 うつ状態の時に躁が交じる、躁状態の際にうつが交じるといったように、通常とは異なる状態が見られることがあり、混合状態と呼ばれます。
躁状態なのにうつっぽい、機嫌が悪い(不機嫌躁病)、うつ状態だけど焦り、興奮が強いといった場合です。相反する力に引っ張られるような感じのため、とても苦しい症状です。

 

 

 

他の病気やタイプ間の鑑別のポイントからチェックする

<単極性うつ病などとの鑑別点>

 ▶「うつ(鬱)病とは何か~原因を正しく理解する9のポイント

 

・同調的(他人に合わせようとする)である

 病院やクリニック、カウンセリングルームにはじめて訪れて、医師や周囲の環境を忖度し、同調しようとする態度が見られる。

・中学、高校の頃に好調の時期、不調の時期の波があった

 大人に向けて規則が厳しくなったり、部活、受験勉強のストレス、対人関係のトラブルが増えやすい時期です。その時期に発症するケースが多いとされます。

 

・親族にも同様に調子に波がある人がいた。親族にうつ病や、アルコール依存症と診断された方がいる。自殺した人がいる

・自身や親族が、接客業や教員、福祉職などで成功した人がいる

・転職や転居、交友関係で変化に富む

 

・うつ病と比較して、離婚率や、独身率が高いといった特徴もあります

 将来、躁状態が起きる可能性が高い患者のことを「双極スペクトラム」と呼ぶことがあります。

・うつ状態ではまず気分が下がる

 精神科医の神田橋條治氏によると、うつ病のうつ状態は、まず能力が低下し、それから気分が下がる(もっと頑張らないといけないけどできず、気分が滅入る)。一方、双極性障害のうつ状態は、まず気分が下がる(気が滅入って何もできない)、とされます。

 

・対人関係のトラブル、状況の窮屈さによってうつ状態になる

 うつ状態のうつは脳がくたびれることで生じますが、双極性障害のうつ状態は窮屈な環境に置かれることで生じる傾向がある、とされます。発症の前に進級、進学、異動、昇進や対人関係のトラブルなどがないか?を確認してみることです。

・人懐っこさから、問題を訴える結果、処方される薬の種類、量が増える傾向にある

 なぜかいろいろな薬を処方されているようなケースも双極性障害が疑われます。

 

 

<Ⅰ型とⅡ型の鑑別点>

・躁状態の程度(入院が必要なほどかどうか)

・質的には観念奔逸が、まとまった作業ができないほど飛びすぎていないかどうか

・Ⅱ型の場合は、うつ状態でも症状が移ろいやすく、ふぞろいで、場面によって現れたり現れなかったりといった特徴が見られます。また、うつ状態が慢性化しやすく、治療への取り組みが失われ、依存症に陥ったりといったことが急速に生じます

 

 

 

躁うつ体質の特徴からチェックする

 上記と重複する部分もありますが。「躁うつ体質」の特徴からも診断することができます。

 

・調子に波がある

・のびのびした、バラエティに富む人生を欲し、窮屈な環境では調子を崩しやすい

・人と馴染もうとする。人懐こさ、人に甘える傾向。外に合わせようとする。雰囲気の柔らかさ、快活さを持つ

・関係を生きる(関係がこじれると調子を崩す)

・秘めることが苦手で表出に傾きやすい

・内省が苦手で言語化が不得手。感性や感情が行動に直結する

・言葉にできない自他の心のあやを感知しやすく、対人関係職で成功しやすい(教育、福祉職、サービス業など)

 ※対人関係職に就いている場合は双極性障害を疑ってみることも必要です

・あっさりしていて、執念深くない

・一つのことに集中するのが苦手。複数を同時並行(「ながら」)で対応することが得意

 

 

 

合併しやすい症状からチェックする

・依存症

 双極性障害の3割の人に見られます。ひどい依存症だったのがいつの間にか自分でやめれたり、1年ほどするとまた(アルコールなど)依存を再開して倒れてしまったり、ということ(波)があります。

  ▶「依存症(アルコール依存等)とは何か?その種類、特徴、メカニズム」

 

参考)「国立精神・神経医療研究センター「こころの情報サイト」 依存症」

 

・社交不安障害

  ▶「対人恐怖症、社交不安障害とは何か?原因とメカニズム」

 

 

・パニック障害

  ▶「パニック障害(パニック症)とは何か?その症状を詳しく解説」

 

参考)「国立精神・神経医療研究センター「こころの情報サイト」 不安障害 パニック障害」

 

 

・PTSD

  ▶「トラウマ(発達性トラウマ)、PTSD/複雑性PTSDとは何か?原因と症状」

 

参考)「国立精神・神経医療研究センター「こころの情報サイト」 PTSD」

 

 

・過食症

 双極性障害の1~2割の人に見られます。

 ▶「摂食障害とは何か?拒食、過食の原因~7つのポイント

 

参考)「国立精神・神経医療研究センター「こころの情報サイト」 摂食障害」

 

 

 

間違われやすい病気からチェックする

・うつ病

 うつ病は、双極性障害と間違われやすい代表的なものの一つです。しかし、すでに説明したように全く別の障害です。

 

 
Point

 産後うつの半分は実は双極性障害ではないか?とも言われています。産後うつでお悩みの方は、本記事や参考書で理解を深めた上で、双極性障害を疑って見る必要があります。

 

 

・統合失調症

 統合失調症でも、陽性症状(幻覚、妄想など)、陰性症状(うつ状態など)があり、変動があることは似ています。猜疑的であったり、妄想の内容が絶対にありえない場合は統合失調症であると考えられます。

 ▶「統合失調症の診断とチェック~症状など7つの視点から

 

参考)「国立精神・神経医療研究センター「こころの情報サイト」 統合失調症」

 

 

・境界性パーソナリティ障害

 不安定な気分など、双極性障害と非常によく似ています。双極性障害では、相手へのスプリッティング(理想化-全否定、という極端な評価)が見られません。境界性パーソナリティ障害では社会的機能や能力が低いケースが多いのに対して、双極性障害では社会的能力が高いことが多い、といった点で異なります。

  ▶「境界性パーソナリティ障害とは何か?原因と特徴、チェック

 

参考)「国立精神・神経医療研究センター「こころの情報サイト」 パーソナリティ障害」

 

 

・発達障害

 発達障害でも、要求水準が高まり、自分の能力以上のことをさせられると急にはしゃいだり。言語表現が乏しいために、すぐに行動化してしまったり。舞い上がってしまったり。ADHDの落ち着きのなさによるものであるなど、双極性障害の躁と紛らわしいものがあります。躁の現れ方が短時間である場合は発達障害かもしれません。

  ▶「大人の発達障害、アスペルガー症候群かどうか診断、判断するポイント

 

 

・甲状腺疾患

 甲状腺機能が低下する場合、うつっぽくなり、甲状腺機能が亢進すると興奮が高まり活動的になることがあります。また、双極性障害でリチウムによる治療を行う場合に、副作用で甲状腺機能が低下することがあります。

  ▶「境界例、難治性うつ病などの意外な原因~副腎疲労、甲状腺など」

 

 

・認知症

 一過性の躁状態が生じることがあります。

 

 

・薬物依存など、薬物によるもの

 禁止薬物によって一時的にハイになるといったことはもちろんですが、抗うつ剤によって躁状態が誘発されることがあります。「物質誘発性気分障害」と呼ばれています。物質誘発性気分障害は、双極性障害との区別は大変難しいものです。

 

 

 

 →双極性障害(躁鬱病)の治し方については、下記をご覧ください。

 ▶「双極性障害(躁鬱病)の治し方~正しく対処するための6つのポイント

 ▶「うつ(鬱)病とは何か~原因を正しく理解する9のポイント

 

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(参考・出典)

樋口輝彦 神庭重信「双極性障害の治療スタンダード」(星和書店)
ラナ・R・キャッスル「双極性障害のすべて」(誠信書房)
岡田尊司「うつと気分障害」(幻冬舎)
加藤忠史「双極性障害」(医学書院)

加藤忠史「双極性障害」(ちくま新書)

内海健「双極Ⅱ型という病 改訂版うつ病新時代」(勉誠出版)
貝谷久宣「よくわかる双極性障害」(主婦の友社)
森山公夫「躁と鬱」(筑摩書房)
青木省三「精神科治療の進め方」(日本評論社)
神田橋條治「第一回 福岡精神医学研究会講演会記録」

米国精神医学会 DSM-5-TR(医学書院)

神田橋條治、白柳直子「神田橋條治の精神科診察室」(IAP出版)

かしまえりこ、神田橋條治「スクールカウンセリングモデル100例」(創元社)

かしまえりこ「神田橋條治 スクールカウンセラーへの助言100」(創元社)

など