悩みの原因や解決方法

恋愛依存症の本当の原因と治し方~6つのポイント

[「恋愛依存症」の原因と治し方「依存症」の原因と治し方「恋愛・結婚」での悩みの原因と治し方悩みの原因や解決方法]


 ここ数十年で注目され始めた「恋愛依存症」。近年、依存症、精神障害として治療の対象とされるようになってきました。今回は、「恋愛依存症」についてまとめてみました。

 

 ⇒関連する記事はこちら
  「依存症(アルコール等)とは何か?真の原因と克服に必要な6つのこと」 

 ※サイト内のコンテンツのコピー、転載、複製を禁止します。

恋愛依存症

 

 

現代における恋愛至上主義

 現代は恋愛至上主義だ、とは評論家や学者などが指摘していることです。もちろん、人類は昔から恋愛をしますが、その在り方は様々です。
特に庶民は、現代人のように個人と個人とが自由に恋愛をしてというスタイルではなかったと考えられます。
 恋愛とは近代の産物だ、日本には明治以降に輸入されたとする説もあれば、もともと日本にも恋愛はあった、とする説もあります。

 恋愛至上主義の背景には、個人主義や自己愛型社会(個人の自己愛を満たすことに価値を置く社会)もあると思います。自己愛を満たしてくれる装置としては恋愛はとても手軽で情熱的なものです。
 特に、自己愛の傷つきを抱える人にとってはまさに麻薬のように作用し、依存を生むことになります。
 ただ、麻薬の場合は「違法なもの」として病識を生みますが、恋愛は「素晴らしいもの」という価値観が社会にあるために、なかなかそこから抜け出すことができません。

 恋愛依存症が問題になったのには、こうした時代背景もあります。

 

 

 

恋愛依存症とは何か?

 恋愛依存症(Romance addiction/Love addiction)とは、自己愛の傷つきなど自らの手に負えない苦しみを、相手に尽くしたり支配したりという歪んだ恋愛によって埋めようとする行為です。本人は恋愛に燃えている、と感じていますが、実際には恋愛にではなく過去の傷を癒すために行っている未熟な自己治療です。 
 
 恋愛依存症という名称が用いられるようになるのは、1975年に「Love and Addiction」という書籍が出版されてからです。
 ただし、現在も明確な定義はありません。

 

・依存症という病の一つ

 恋愛依存症とは、アルコール依存症やギャンブル依存症と何ら変わりのない「依存症」という病です。上記にもあるように現代は恋愛至上主義の文化で、恋愛は素晴らしいという風潮があるために、依存症であることが見えにくくなっています。

 依存症は、大きく分けて、物質依存(薬物、アルコールなど)とプロセス依存(ギャンブル依存、ゲーム依存、買い物依存症など)に別れます。どちらも脳内で神経伝達物質が過剰に放出されて、快感への依存が抑えられなくなります。恋愛依存症は、プロセス依存になります。

 「恋愛は素晴らしいもの」という風潮も手伝い、本人にはあまり自覚はありません。

 依存症であるかどうかを見分けるポイントとしては、一つのモノや関係に過度に依存しているかどうか、本人や周囲の日常生活に支障をきたしているかどうか、その背景に自己愛の傷つきやトラウマがあるかどうか、ということになります。

 


・クロスアディクション

 恋愛依存症の方は、アルコール依存症やギャンブル依存症、薬物依存、過食など他の依存症を併発していることも多いです。これは、依存症のメカニズムが共通していることが原因と考えられます。
 共通するメカニズムとは、自己愛の傷つきを癒すための行為がさらなる苦痛を生んで、それを他の依存行為で癒すといった悪循環のことです。
 

 

・その他精神障害の併発

 恋愛依存症の場合、うつ病や、パーソナリティ障害など他の精神障害や発達障害を併発していることもあります。

 →「うつ病の真実~原因、症状を正しく理解するための10のこと

 →「パーソナリティ障害の特徴とチェック、治療と接し方の7つのポイント

 →「大人の発達障害の本当の原因と特徴~様々な悩みの背景となるもの

 

 

愛依存症の背景

 

・自己愛の傷つき(不安定な愛着、トラウマ)と脳の報酬系メカニズムの変化

 恋愛依存症の背景には「自己愛の傷つき」があります。幼少期の養育環境の影響での不安定な愛着やトラウマが原因となります。傷ついた自己愛は大きな痛みをもたらします。その痛みとは不安や恐怖、怒り、自己承認の過度な欲求などです。

 人間は社会的動物と呼ばれるように、色々な人やモノにほどほどに依存しながら生活を送っています。また、仕事や人間関係から承認、信頼という(長期の)報酬を得ながら自分を保っています。このことを脳のメカニズムでは「報酬系」と呼ばれます。

 しかし、自己愛が傷ついた状態では、その傷をいやすために、長期の報酬では間に合わずに、短期の報酬(興奮や快楽)を求めるようになります。
 幼い子どもは欲求を我慢することが苦手です。明日まで待つよりも目の前のものがほしいと考えてしまいます。しかし、しつけや教育を受けて訓練を積む中で、我慢してより長期の報酬を得ることを覚えていきます。
 しかし、依存を繰り返すと、その報酬系のプログラム自体が書き換わってしまい、意志の力では制御できなくなってしまいます。頭では分かっていてもひどい相手に依存してしまう、といったことは脳内ホルモンの作用によってなされているのです。

 


・性格気質(遺伝的要因)

 衝動性や感情的になりやすい、失感情症などの性格気質(遺伝的な要素)も背景となります。依存症になる人は、イメージに反して意志が強く、頑張り屋であることがあります。自己努力の果てに、頼る先が限られる中での未熟な自己治療として、依存症に陥ってしまうのです。

 

 

・環境や社会的要因

 環境や社会的な要因も背景となります。人間関係が少なく孤独を感じている、過度なストレスも恋愛依存を後押しします。さらに、「恋愛は素晴らしいもの」とする現代の風潮や、出会い系サービスなど恋愛対象と出会う手段が増えていることも大きな要因の一つです。
 

 

境界性パーソナリティ障害2

 

 

 

恋愛依存症のタイプと症状

 心理学者の伊藤明は、著書の中で以下の4つにタイプを分類しています。あくまで便宜的なもので、確定されたものではありません。
 1.共依存(尽くす側) 、2.回避依存(尽くされる側) 、3.ロマンス依存、4.セックス依存

 それぞれはタイプは分かれますが、根本は同じです。自己愛の傷つきがあります。
 愛着障害の研究でも指摘されていますが、不安定な愛着状態に置かれると子どもは3,4歳ごろから親や環境を統制、コントロールしようと試みます。代表的なものとして2つのものがあります。
 1つ目は、「懲罰型」と呼ばれるもので、親に罰を与えたり、拒否することで思い通りにしようとします。
 2つ目は、「懐柔型」と呼ばれるもので、親の相談相手となったり、支えることで、親の気分や行動をコントロールしようとします。
 懲罰型は回避依存になり、懐柔型は共依存になると考えられます。
 
 4つのタイプは、くっきりと分かれるわけではなく、それそれが要素として各人の中に含まれてそれぞれの依存症を形成します。

 


1.共依存

 「共依存」とは、もともとは、アルコール依存症を持つ妻と夫との関係を指す言葉です。アルコール依存で何もできなくなった夫を支えることで、何もできない状態が継続し、依存症に手を貸している状態のことを言います。
 恋愛依存症の場合の共依存も同様に、相手を過度に世話すること、尽くすことに一生懸命で本人の周囲の日常生活に支障をきたしている状態です。相手から求められること=自分の存在価値、となっているため、強迫的に世話をしようとします。

 重なり合う部分も多いですが、特徴を列挙してみました。

 

・強迫的な世話

 恋愛の対象となる相手を助ける、世話をしなければという強い気持ちがあります。それは通常のものではなく、強迫的な衝動によるものです。その裏には強い見捨てられる不安が存在します。世話をすることで相手から愛情をもらい、自分の価値を保とうとします。

 

・必要とされることを求める。相手を放っておけない

 相手から必要とされることを求めます。相手から求められること=自分の存在価値となっています。そのために相手から連絡がまめにないと強い怒りを感じたり、相手が問題を抱えていることを喜びます。世話をしながら、相手の問題が解決することを真に望んでいません。解決すると相手が去ってしますと不安を感じています。

 

・「救済者」になることを欲する

 相手の救済者となることで常に相手から必要とされる存在になろうとします。アドバイスしたり、何かとお世話をしたくなります。こうした欲求を満たすための相手は問題を抱えた「ややこしい彼(彼女)」であることが必要となります。そのために世話しがいのある相手=振り回される、ということになります。

 

・自分の幸せよりも相手の幸せを優先する。自分を犠牲にする。無力感、無価値観

 自分というものがなく、常に相手を優先します。過剰に相手の顔色や気持ちを伺い、先回りしてしまいます。相手の幸せが自分の価値であるとして、自分を犠牲にします。背景には愛される価値がない、という無価値観、無力感があります。

 

・非現実的な期待

 完全な愛情を得られる、といったことや、誰かが自分を救済してくれる、という非現実的な期待感があります。私が世話をすることである日相手が改心して、自分を認めて完全な愛を与えてくれる、と考えています。目の前の不都合な事実には目を向けることができません。そのため、相手に振り回されているので別れたほうがいいと周囲がアドバイスをしても聞く耳を持つことができません。


 
・無意識に親の姿を恋愛相手に投影している

 共依存の方が、ひどい相手ばかりを求めるのは、実は自分の自己愛を傷つけた親を求めるということがあります。いわゆる「再演」によって自己愛を癒そうとしているということもありますし、“親”を世話することで愛されようとする動きでもあります。

 

・支配を求める~対等の関係を築くことができない

 無価値とされる自分に本当の価値を認め自分を救済してくれる王子(お姫)さまが自分を支配することや、逆に相手を世話することで相手をコントロールすることを望んでいます。安定した付き合い、対等な関係には不安を感じてしまいます。
  

 

・見捨てられる不安

 強烈な見捨てられ不安があります。世話をする相手がいて、その相手を世話することが自分の価値ですから、相手がいなくなることや必要とされなくなることには理屈を超えた強烈な不安が襲います。

 

・幸福や、親密さへの不安

 恋愛を求めながらも、実は本当に意味で親密になることには不安を感じています。安定した親密さは苦手です。幸せになることも同様で、自分は幸せになる価値がないと考えていますので、幸せな状況は強い不安を呼び起こします。

 


2.回避依存

 回避依存とは親密な人間関係をさける過度な傾向を指します。いくつかのタイプがあります。
 ※タイプの名称はわかりやすくつけているもので確定されたものではありません。


・独裁者、搾取者

 罪悪感や恐怖を利用して相手を支配し、搾取するタイプです。暴力や暴言というわかりやすい場合もあれば、暗に「お前はダメなヤツだ」という無言の圧力をかけてくる場合もあります。自分の考えは正しくて、絶対で、反論すれば、同意するまで責め続けたりします。
 行動を制約したり、金銭的な要求をすることもあります。自己愛性人格障害や反社会性人格障害などがこれに当たります。

 

・ナルシスト

 何より自分が好きで、自分の理想を周囲に押し付けようとします。子どもっぽいところがあります。自己愛性人格障害や演技性人格障害などが該当します。


 
・逃げ腰症候群

 愛情を求められたり、迫ると嫌がって逃げてしまいます。一人を好み、束縛を嫌がります。本心をはぐらかします。込み入った話、深刻な話題になると避けようとします。いわゆる回避性人格障害や、回避型の不安定型愛着がそれにあたります。

 


3.ロマンス依存

 ロマンス依存とは、刺激的な恋愛ばかりを求めようとしてしまうタイプです。
 ドラマのような恋愛、不倫、略奪愛や怪しげな人との恋愛に魅力を感じてしまう傾向です。熱に浮かされたように恋愛に没頭し急激に醒めることがあります。
 
 共依存との違いは、相手の世話をすることを志向していないという点です。
 また、ロマンス依存の特徴は、恋愛ホルモンだけではなくて、ギャンブル依存などのようにリスクから来る刺激にも依存している点です。
 


 
4.セックス依存

 性衝動が抑えられない。性的快感や刺激に依存している状態です。セックスをしているときだけ愛されている感覚を得ることができたり、自己愛の傷つきからくる苦しみを和らげることができます。
 不安が強い、抑うつ傾向が強い、強迫傾向が強い人がセックス依存に陥りやすいことが知られています。解離性障害を併発していることが多いとも言われています。

 →「解離性障害とは何か?本当の原因と治療のために大切な8つのこと

 また、過去に性的虐待を受けていた方が、「再演」としてセックス依存となることがあります。傷をいやすためや、価値のない自分を罰するためにセックスを行っていると考えられます。

 

恋愛依存症2

 

 

 

共依存と回避依存が生み出す恋愛依存のサイクル

 恋愛依存のサイクルとしては以下のようなものがあります。
 共依存と回避依存が歯車のようにかみ合い、生み出します。


1.共依存者が回避依存者に惹きつけられる、あるいは回避依存者が惹きつける。

 回避依存者も、共依存者の弱さに惹かれる。


 
2.ハネムーン期です。理想の人に出会えたとして、強い幸せや高揚感を感じる。

 自己愛の傷つきが癒されたと感じます。
 共依存者は相手を慕うことで、回避依存者も慕われることで高揚感を感じる。

 

3.徐々に、不都合なことが起き始める。

 共依存者は回避依存者からの素っ気ない態度、精神的な支配、暴言暴力、金銭での要求などに振り回されます。回避依存者も共依存者の要求にうまく応えることができなくなり、次第に恐れを感じて、回避や支配の側面がより強くなります。


  
4.共依存者は相手に見捨てられそうな現実を否認する。

 相手は本当は自分を愛してくれているというファンタジーによって見捨てられそうな現実からくる不安をごまかそうとします。あるいは周囲からのアドバイスも否定します。
 回避依存者は束縛を感じて、関係を捨てようとします。

 

5.共依存者は相手から見捨てられたという事実を認めざるを得なくなり、禁断症状が生じます。

 

6.共依存者は相手を取り戻す、あるいは仕返しをする、という妄想を抱くようになります。そして実行に移します。

 執拗にメールしたり、相手を誘惑したり、自殺をほのめかしたり、といったことです。ストーカーまがいの行動をとる場合もあります。回避依存者はより関係からの束縛を感じてそこから逃れようとします。
 

7.運よく関係が戻ると、相互の依存症はより強化されます。あるいは別のパートナーを見つけてまた依存を始めます。

 

 

 

パニック障害のイメージ2

 

 

 

依存と普通の恋愛の違い

 例えば、薬物依存と違い、恋愛という行為そのものは社会的に違法ではありません。そのため、どこまでは普通の恋愛でどこまでが依存なのか、という疑問がわいてきます。恋愛ですから思いが強い分には良いじゃないか?本人の勝手ではないか?という反論も予想されます。

 しかし、いくつかの点で見分けることができます。

 

1.本人や周囲の日常生活に支障が出ていないかどうか。

 その恋愛行動によって本人や周囲の日常生活に支障が出ているというのが依存症かどうかを見抜くポイントです。
 相手のことを考えて仕事が手につかない、深夜まで相手の世話に振り回されている、といった場合はまさにそうです。普通の方でも人を好きになり恋愛に浮かされているといった場合は急性中毒と言えます。

 

 

2.限られた関係

 人はみな依存しながら人生を生きています。その点でいえばすべてが依存で成り立っています。しかし、“依存症(病的な依存)”とは、特定の限られた人やモノに頼ってしまうことを指します。例えばアルコールがないと生きられない、薬物がないと生きられない。ギャンブルを奪われたら生き甲斐がなくなる、といった場合がそうです。
 恋愛も同様です。その人がいなくなったら生きられない、その人しかない、と依存する先が限られる場合も依存症と考えられます。
 確かに、失恋や離別はショックです。しかし、それらは一時的なもので通常は友人や家族などたくさんの方に頼りながら、慰めてもらい、苦しいけれども別れた相手がすべてではないという健全な感覚を持つことができます。しかし、依存症の場合は、その人がいなくなったら自分は終わりだ、という極端な感覚にさいなまれています。恋愛ならそのくらいのことはよくある、と思われる方もいるかもしれませんが、実はその状態とは急性の中毒とも言えるもので、一時的な依存症ととらえることが適切です。つまり、だれでも依存症になりえるということを示しています。ただ、慢性化するほど自己愛の痛みを抱えているかどうか、ということがいわゆる恋愛依存症に陥るかどうかの分かれ道です。

 


3.過剰さ

 度を過ぎたかかわりではないかどうか、ということも見抜くポイントです。あまりにも相手に尽くしすぎている、ひどい相手にもかかわらず我慢している、と言った場合は、依存症である可能性が高いです。

 


4.人格の変化や問題行動

 人格の変化は依存症の特徴の一つです。日常ではおとなしい人が恋愛になると過剰になったり、攻撃的になったり、社会的な問題行動を起こしたり、ウソをついたりと言った場合も依存症であると言えます。
 恋愛のこじれで会社の金を横領して、逆上して傷害事件になる、というような事件が過去にありましたが、まさにそうしたことを指します。私たちが耳にする恋愛のこじれで警察沙汰にというのは、問題行動を起こしている点で立派な依存症と言えます。

 


5.自己愛の傷つき

 自己愛が傷ついている人の持つ独特の雰囲気、弱さや敏感さ、過剰さを感じる場合も依存症を疑うことができます。

 

6.偽の欲求。偽の好意

 アルコール依存症の人が、お酒が好きだからお酒を飲んでいるわけではないのと同様に、恋愛依存やセックス依存の方も、本当は恋愛やセックスが好きなのではなくて、そうせざるを得ない痛みを抱えているということです。
 対象となる人のことも本当は好きではない、ということです。依存症のメカニズムで好きだと思わされている。意識のレベルで区別をすることは難しいのですが、周囲も本人も知識としてそのことを知るだけでも、直感的に依存かそうではないかを見分けるきっかけになります。


 

 以上見てきたように、実は私たちも恋愛依存を経験していることはあります。ただ、急性中毒で済んでいるだけです。ですから、よくあること、自分も同様のことを経験したから依存症ではない、として軽く扱うのは間違いです。

 

(参考)恋愛依存は多様性がある

 依存症の解決を遅らせる要因の一つとして、ケースの多様性や断続性です。
そのため、この程度なら依存症ではないと構えていると、実は取り返しがつかなくなることがあります。例えば、ずっと依存症なのではなく、時期によって違う、ある時パタッとなくなってまた再開する。程度が軽く見える、といったことです。私たちがイメージする依存症と実態とはかなり異なると思ったほうが良いと言えます。

 

 

解離性障害のイメージ4

 

 

 

恋愛依存症を解決するために必要な6つのこと

1.自分の状況を知る

 まず、大切なのは自分がどのような状態にあるのかを知ることです。
 「恋愛依存」という状態にあることを知れればいいですが依存であることを認めることが難しいことも多いです。その場合は、自分がどんな恋愛のパターンに陥っているのか?いつもどんな相手に惹かれる傾向にあるのか、を知るだけでもよいです。
 

 

2.問題は、恋愛ではなく「依存」「自己愛」の問題である

 “恋愛”依存ということで、恋愛のカウンセラーや相談所、友人に相談したくなるかも知れません。しかし、問題は「恋愛」ではなく「依存」そして、その背景にある「自己愛(の傷つき)」にあります。また、過去の家族との関係、満たされなかった愛情にあります。
 ギャンブル依存の人が、ギャンブルの専門家ではなく依存の専門家に相談するように、恋愛依存は相談する相手も、恋愛の専門家ではなく、「依存」や「自己愛(愛着障害、トラウマ、家族問題)」の専門家のほうがより適切です。

 


3.健全な関係とは何かを学ぶ。~愛ではなく信頼を求める

 恋愛は誰でもするのだから今の自分の状態も過剰であるが異常ではない、と考えてしまうかもしれません。また、いつも自動的に依存に陥ってしまうために、健全な関係とはどういったものかがわからないケースも多いです。
 簡単に言えば、長期的に見て私たちが求める健全な関係とは、燃えるような愛ではなく、穏やかな信頼です。燃えるような愛は脳内ホルモンの性質からも脱感作が起こって終息し、必ず破たんしてしまう運命にあります。一方、信頼というのは穏やかにずっと続き、しかも互いの行動の積み重ねで成熟していきます。もし、「永遠の愛」というものがあるとしたら、それは穏やかな信頼にこそあります。
 恋愛ということを基準に人間関係を捉えるのではなく、信頼を基準に捉えていくことが大切です。それが健全な関係の基盤となります。
 さらに、相手と自分とは違う価値観で違う人間であることを前提にして相手を理解、尊重することも大切です。同じように考え感じることは求めない。自分と同じ価値観を強要して破たんするカップル、夫婦はたくさんいます。
 健全な関係とは適度な距離感と、相手のことはすべては理解できないという正しいわきまえの上に、相手の価値観の尊重、敬意、信頼を重ねていくことで成立するものです。

 

 

4.多くの人やモノとの関係を築く。大切にする

 なかなか容易なことではありませんが、多くの人に依存することは依存症からの解決を助けます。もし、できるなら、多くの人と関係を築くことを意識することです。そしてたくさんの人に頼ることです。
 もちろん、自己愛の傷つきを持つ人であれば、人間関係にも問題を抱えている人も多いです。その場合は、自分があくせく努力することをやめてみることです。自分が抱えている問題は自分にはどうしようもないもので、何か自分を超えたものや多くの人に助けてもらうしかない、ということを知ることです。そのことを徹底したものを「底つき体験」といいます。

 

 

5.表面的な衝動(偽の欲求)ではなく、本心に意識を向ける

 既に書きましたが、恋愛依存症の方は、本当に恋愛が好きというわけでも、対象となる人が好きなわけでもありません。本音では好きではないことを知っていたりします。しかし、どうしようもない衝動に突き動かされて、好きだと思わされている状態です。私たちは、錯覚された欲望に動かされることはあります。本当は食べたくないはずのものを夜中に食べて後悔したり、ということは誰にでもある経験です。自分の本心はそこにはないことを知り、表面的な衝動は偽物であることを理解することです。何度も失敗をして傷つきますが、それだけでも依存症から抜け出すきっかけになります。

 

 

6.自己愛を癒す、トラウマを解消する

 依存症の問題は現在にももちろんですが、その9割は過去にあります。過去に傷ついた自己愛、愛着やトラウマに起因します。 
 心理学者ジョン・グレイも「私たちが異性関係の中で経験する様々な説明のつかない精神的混乱は、その原因の90パーセントは実を言えば自分の過去に原因がある」としています。不適切な養育環境。例えば支配的な親や、あまり構ってくれない親。夫婦げんかが絶えない状況であった、といったことはわかりやすいのですが、それほどの状況とは思えなくてもトラウマとなり、依存症を引き起こすことはよくあります。
 どのようなアプローチをするにしても、自己愛、トラウマの問題を解消することは必須となります。
 ただ、親との関係を見直して、良くしよう、解決しようとする必要はありません。なぜなら、他人を変えることはなかなか容易ではないからです。ひょっとしたら変わらないかもしれません。そのような難しい取り組みをする必要はありません。
 むしろ必要なのは、親への執着を断つことです。親とは仲が悪くても、本当の意味での反抗期を経験しておらず自立していないことがあります。親から自立することは誰でも行っていることで冷たいことでもおかしなことでもありません。大切なのはあなたの中にあるトラウマを癒すことです。そのためには、むしろ親とは距離を取ることが必要です。トラウマを解決するためには、専門のトラウマケアを受けることをお勧めします。

 

 

※サイト内のコンテンツのコピー、転載、複製を禁止します。

(参考)

ハワード・M.ハルパーン「ラブ・アディクションと回復のレッスン 心の中の「愛への依存」を癒す」 
ピア・メロディ「恋愛依存症の心理分析 なぜ、つらい恋にのめり込むのか」
ヘレン・E・フィッシャー「愛はなぜ終わるのか 結婚・不倫・離婚の自然史」 
ラリー・ヤング「性と愛の脳科学 新たな愛の物語」
斎藤 学「アダルト・チルドレンと家族 心のなかの子どもを癒す」
小谷野 敦「日本恋愛思想史 - 記紀万葉から現代まで」
小谷野 敦「恋愛の超克」
エドワード・J・カンツィアン、マーク・J・アルバニーズ「人はなぜ依存症になるのか」
クレイグ・ナッケン「やめられない心」
M・クーハー「溺れる脳」
渡辺登「依存症のすべてがわかる本」
岡本卓、和田秀樹「依存症の科学」
廣中直行「依存症のすべて」
信田さよ子「依存症」
斎藤学「嗜癖行動と家族」

 

 

・悩みの原因や治し方についてさらに知るために無料メルマガを購読する

 

 

●お気軽にご相談、お問い合わせください。

 当センターは、トラウマケア専門のカウンセリングセンターです。当センターでは、カウンセリングをこれからご検討される方向けに「事前相談(無料)」を行っております(40分まで)。

 事前相談では、カウンセラーがお話を伺いし、専門知識に基づき、原因や解決策についての見立てや解決の見通しなどをお伝えさせていただきます。カウンセリングを検討するにあたり、ご不安なこと、お知りになりたいことをご確認いただけます。お悩みの方、腰を据えて解決に取り組みたい方は、まずはお気軽にお問い合わせください。

<事前相談やセッションをご希望される方は、下記の手順でお問い合わせください>

1.まず、当センターの特徴をご確認ください。
  ⇒当センター(B.C.C.)の特徴の概要についてはこちら
2.次に、ご予約をお取りさせていただきます。お電話、あるいは下記の問い合わせフォームから必要事項をご記入の上、お問い合わせください。

 以上でお申し込みは完了です。

 ※事前相談(無料)では、電話、スカイプにて行っております。事前相談では、アセスメントやご相談のみとなり、カウンセリングやトラウマケアは行いません。
 ※事前相談と初回セッション(FAP療法、有料)を併せてご希望の場合は、弊社カウンセリングルーム(大阪心斎橋)か、電話・スカイプかお選びいただけます。電話、スカイプでもカウンセリングの効果に差はございません。

 

 

●Facebookでもご購読いただけます。

 

 

・この記事をシェアする。


mautic is open source marketing automation